2万円以下のスマホはどこまで動くのか?(2020年春)

コスパが良いスマホと言われても

2万円以下の安い価格帯でコスパが良いと言われても『動画再生やブラウジング程度なのか?ゲームもサクサク動くのか?どこまで動いてくれるのかな…』って気になりますよね?
特にゲームの動作に関しては、買ってみたもののプレイしてみたら『モッサリしていた』では取り返しがつきません。


検証するスマホとゲームを分類

スマホの分類

Androidスマホには【ハイエンド】【ミドル】【エントリー】と性能によるクラス分けがあります。
例えば同じ世代に発売されたブランドでも搭載されているSoC(CPUやGPU等を実装するチップ)によってそれぞれのクラスに分類されます。
そして2万円以下でコスパが良いとされるスマホはだいたいが【ミドル】にあたります。
ちなみにこの記事には出て来ませんが、iPhoneにはこのクラス分けがない為、古い世代のiPhone6s/PlusやiPhone7/Plusをミドル、iPhoneXとiPhone8/Plusをミドルハイというように考えても良いかもしれません。


ゲームの分類

スマホゲームの快適性は動作させる機種に依存します。そしてどういった層に向けて開発されたかによって『軽い』『重い』が変わってきます。
軽いゲームだとOSのバージョンに気を付けさえすれば基本的には殆どのスマホでプレイする事が出来ますが、重いゲームだと動作環境を満たしていたとしてもまともに動作しないなんて事も…。


軽いゲームと重いゲームの特徴

【軽いゲーム】
老若男女問わずプレイ対象を広く想定しているものや、ゲーム内に広告が出て来るようなものに多い。


【重いゲーム】
メディアミックス展開の一部として制作されたものや、元々人気のあるコンテンツをゲーム化したものに多い。
例をだすと前者がパズル&ドラゴンズ(パズドラ)やモンスターストライク(モンスト)で、後者がラブライブ!スクールアイドルフェスティバル(スクフェス)やFate/Grand Order(FGO)という感じになります。ただ、人気コンテンツのゲーム化と言ってもドラクエウォークやポケモンGO等は対象年齢が幅広いので軽いゲームの部類だったりします。


無理なくゲームをするには

【重いゲーム】⇒2万円以下のスマホでプレイするのは厳しい
【軽いゲーム】⇒2万円以下のスマホでもプレイ出来るものが多い
ストレスなくプレイするにはという前提ですが、こういう感じになります。
しかし全てのスマホゲームが簡単に重い軽いに二分出来るわけではありません。中間層のゲームも存在します。
そしてその中間層的なゲームが『どこまで動くのか?』が2万円以下で買えるスマホの重要な要素になります。


2万円以下のスマホで荒野行動

中古スマホ店で多い質問

『予算2万迄で安ければ安いほどいいのですが、荒野行動が出来るスマホってありますか?』
2014年末にリリースされ、今や全世界で1億人以上が登録する超人気ゲーム荒野行動。その人気は大人だけではなく多くの子供達にも広がり、小学生にまで波及しました。
そしてこのブームにより中古スマホ販売店に荒野行動がプレイ出来るスマホを探しに来られる親子連れのお客様が飛躍的に増えました。


荒野行動は重い?軽い?

【重いゲーム】【軽いゲーム】どちらに属するのか分かり難い…丁度中間層にあたるゲーム。荒野行動はまさにそういう部類のゲームだったりします。
グラフィックだけを見ればフルCGで【重いゲーム】のような気がするけど、世界中のプレイヤー総数(※)を見れば【軽いゲーム】のような気もする…。
つまり前の項目も踏まえれば荒野行動は【2万円以下で買えるスマホはどこまで動くのか?】を検証するのにもってこいのゲームと言う事です。
※世界的に見るとハイエンドスマホのシェア率はそこまで高くなく、ダウンロード数を増やすためにはそこそこ古いOSと低いスペックでも動作する事が重要になる


2万円以下で買える人気スマホ

AQUOS sense2、OPPO R15 Neo、OPPO AX7、Huawei Mate 20 lite、Huawei nova lite 3 が現在中古相場で2万円以下で買える人気のミドル機種で現行品に近いものとなります。
あと2万円以下でコスパが良いスマホで外せないのが2016年のハイエンドモデルXperia X Performance等、Snapdragon820搭載機の中古品です。


【相場の目安】
AQUOS sense2⇒15,800円~26,800円
OPPO R15 Neo⇒11,800円~19,800円
OPPO AX7⇒11,800円~19,800円
Huawei Mate 20 lite⇒15800円~23,800円
Huawei nova lite 3⇒13,800円~19,800円
Xperia X Performance⇒8,980円~14,800円
※価格の幅は商品状態による価格の違いです


搭載されているSoC

Xperia X Performance⇒Snapdragon820
AQUOS sense2/OPPO R15 Neo/OPPO AX7⇒Snapdragon450
Mate 20 lite/nova lite 3⇒Huawei Kirin710
Snapdragonシリーズ、Kirinシリーズ共に違う型番のものが多く存在していますが、今回はあくまで『2万円以下で買えるスマホ』として多く流通しているスマホがメインになりますのでこの3つのSoCをメインで進めて行きたいと思います。


SoCで見るクラス分け

・Snapdragonシリーズ(Androidのメインストリーム)
【ハイエンド】8××シリーズ(現行最上位855+)
【ミドルハイ】6××/7××シリーズ(現行最上位730)
【ミドル】4××シリーズ(現行最上位450)
【エントリー】2××シリーズ(現行最上位215)
・Kirinシリーズ(Huawei独自のSoC)
【ハイエンド】9××シリーズ(現行最上位980)
【ミドル】6××/××シリーズ(最上位710)
上記で紹介した2万円以下で買える人気スマホに搭載されているSnapdrogonシリーズとKirinシリーズの簡易クラス分けするとこういう感じになります。基本的には××の部分の数字が高ければ性能も高くなります。
この他にMediatek製のSoCというのもありますが今回検証した機種に含まれていないので割愛させて頂きます。
またSnapdragon200番台は海外の途上国向けで国内のスマホにはほぼ搭載されていません。


実機での検証

Snapdragon820搭載機はXperia X Performance(ドコモ版)、Snapdragon450搭載機はAQUOS sense2(au版)、 Kirin710搭載機はnova lite 3と其々のSoCから1機種を選び実際に荒野行動をプレイしてみようと思います。


ゲーム内設定について

検証の前にそれぞれの設定について説明します。
基本的に設定はカスタマイズしていませんが【画質レンダリングレベル】は本体の性能依存になりますので下記のようにな設定になります。
Xperia X Performance⇒HD
AQUOS sense2⇒標準
nova lite 3⇒HD
このようにAQUOS sense2だけはHD画質でのプレイをする事が出来ません。HD画質が選べない性能でも十分遊べるのでしょうか…?
実機での検証は動画にしています。こちらも是非ご覧ください!


検証結果

あっけないくらい3機種共に問題なく遊べました。
勿論ドン勝を極める為にもっと精細な設定を…というレベルになってくると話は別になりますが、上記設定でプレイする分には十分に楽しめると思います。
バッテリー持ちに関しては15分程度のプレイで大体10%減で、発熱に関してはまあまあ熱を持つ程度という感じになりました。ただこのバッテリー持ちと発熱に関してはハイエンド機でも設定を精彩に上げてプレイし続ければ同じようなバッテリー減り、発熱をしますので、そこを問題なくクリア出来るスマホとなってくると冷却機能を持った高価なゲーミングスマホになってしまいます。


Antutuベンチマーク

今回検証に使用した3機種と【2万円以下で買える人気スマホ】の項目で紹介したけど検証に使わなかった3機種のAntutuベンチマークを追記しておきます。【検証に使った機種】
・Xperia X Performance 総合:144636 CPU:43022 GPU:63205 UX:33169 MEM:5240
・nova lite 3 総合:122149 CPU:55563 GPU:25460 UX:33066 MEM:8060
・AQUOS sense2 総合:70910 CPU:32387 GPU:11988 UX:21062 MEM:5473 【検証に使わなかった機種】
・Mate 20 lite 総合:136562 CPU:64216 GPU:28075 UX:37473 MEM:6798
・OPPO AX7 総合:72123 CPU:33019 GPU:12010 UX:20542 MEM:6552
・OPPO R15 Neo 総合:76252 CPU:35780 GPU:12070 UX:21674 MEM:6728
こうして見てみるとAQUOS sense2で問題なく遊べたのなら、同じSoC搭載でしかもスコアがより高いOPPO R15 NeoやAX7でも検証した環境と同じ設定であれば問題なく遊ぶことが出来ると思います。
またnova lite 3と同等に近いスコアのMate20 liteも同じことが言えるでしょう。


2万円以下のスマホでここまで動く

検証内容が荒野行動に絞った感じになりましたが、動画等を参考にしていただければ【2万円以下で買えるスマホはどこまで動くのか?】がある程度は見えて来ると思います。
そして、2016年のハイエンドと言えどSnapdragon820の底力の凄さが分って頂けた事だと思います。OSに関しては、最新まで上がらないので注意が必要です。
まぁその世代のOSをアプリが切り捨てるのはまだまだ先の事だとは思いますが。

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