スマホ用語解説「MIL規格」

スマホ用語解説『MIL規格』


■洗えるスマホ、割れにくいスマホ

このフレーズを1度はTVのCM等で目にしたことがあるのではないでしょうか?
そしてこういう堅牢頑丈を謳い文句にするスマホには必ずといっていい程『米国国防総省調達基準であるMIL規格◯◯項目準拠』と書かれています。
もう字面だけで堅牢頑丈感があふれているので、皆さんなんとなく『なんか凄そう!』で終わらせていませんか?
今回はそんなMIL規格について詳しく解説していこうと思います。


■米国国防総省が制定した基準

MIL規格(ミル規格)はUnited States Military Standardの略で、米軍が調達する物資の規格ガイドライン【国防省ハンドブック(MIL-HDBK) /国防省仕様(MIL-SPEC)/国防省標準(MIL-STD)/性能仕様(MIL-PRF)/詳細仕様(MIL-DTL)】により制定されます。
対象は武器やそのシステムから腕時計やアクセサリに被服などの生活必需品まで多岐にわたる。※Wikipedia-MIL規格参照
読み方に関してはミル規格、ミルスペックと呼ばれる事が多いです。


■国防省標準(MIL-STD-810)

MIL-STD-810は米国防衛装備品のための試験規格で、温度・湿度・高度・振動・衝撃・耐水などの多岐にわたる環境条件が項目となります。
そしてスマホにおけるMIL規格準拠とはこの試験をクリアした事を表わします。
『MIL-STD-810G』という感じで末尾にアルファベットが入る事がありますが、これはリビジョン番号となります。 Gは2008年10月のリビジョンであり、最新のリビジョンは2019年1月に発行されたHとなります。※2020年4月現在


■どんな項目があるのか?

低気圧(高度)/高温/低温/温度衝撃/液体による汚染/日射/雨/湿度/真菌/塩水噴霧/砂埃/爆発環境/浸漬/加速度/振動/音響雑音/落下衝撃/火衝撃/酸性環境/砲撃衝撃/温度湿度振動高度/着氷・氷晶雨/弾道衝撃/振動音響・温度/冷凍・融解/時間波形複製/鉄道衝撃/種色々な刺激剤/洗浄設備の機械振動※参照リンク(PDF全804頁)ENVIRONMENTAL ENGINEERING CONSIDERATIONS AND LABORATORY TESTS
MIL規格準拠を謳うスマホはこれらの項目に準拠したテストを行っております。
但し、MIL規格準拠と記載されていてもこの全ての項目のテストをしているわけではありません。
メーカーページに『○○項目に準拠』という感じで、クリアしている項目の数と内容が併記される場合が多いです。


■日本で買えるMIL規格準拠の代表的なスマホ

・CMでお馴染みの低価格頑丈スマホ arrows Be3 F-0L(23項目準拠)
・頑丈スマホの代名詞的ブランド TORQUE G04 MIL(22項目準拠)
・カシオ計算機製のガラケー G’zOne TYPE-X
・世界No1の建設機メーカー製 CAT S61

皆様も馴染みがありそうな機種を4台あげましたが、もっとガチなものがあったりします。
パナソニックのTOUGHPAD FZ-X1の防爆モデルをご存知ですか?
この端末はMIL規格以外に国内防爆検定を取得しており『爆発性ガスが発生している恐れのあるエリア(第二類危険箇所:Zone2)で使用可能』というとんでもないタフなAndroid(Windows)端末です!!


■MIL規格と防水防塵(IP)規格

MIL規格にも防水防塵に関する項目はありますが、MIL規格と防水防塵(IPコード)の等級は別規格となります。
MIL規格の防水防塵項目をクリアしているのであれば、IPコード上位の試験もクリアさせていることが殆どですが、全く別の規格という事ですね。
もしスマホに防水防塵と耐久性を求めるのであれば、MIL規格準拠の製品の中から耐久テストをクリアしているものを選びましょう!!

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