スマホ用語解説「デュアルSIM」


■デュアルSIM、そもそもご存知ですか?

DSDSやDSDV等、DS〇〇という形で聞く事が多い、DS(デュアル シム)。
まず最初に超簡潔になんの事かを説明しておこうと思います。

デュアルSIMとは…
1つのスマホに2枚のSIMカードを挿して使用する事が出来る機能のことです。

どうでしょう?
『あぁアレのことね!』と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それではデュアルSIMの中でもよく使われ、何が違うのかが分かりにくい、DSDSとDSDVについて解説していきたいと思います。


■DSDS

・機能の概要

Dual-SIM Dual-Standby(デュアル シム デュアル スタンバイ)の略称。
対応機種はSIMを2枚挿して通信・通話をする事が出来ます。
組み合わせ的にはSIM1(4G/3G/2G)+SIM2(3G/2G)という形になります。

SIM1とSIM2で同時待ち受けをすることが出来るが、片方の回線で通信中はもう片方の回線は圏外となるので、同時に通信通話は出来ません。

・使用時の注意点

SIM2にはdocomoやSoftBankの通話用SIMを挿して使われる事が殆どで、au SIMを挿して使うケースはほぼ皆無です。
これはauは現在VoLTE(4G通話)がメインなので、挿しても4G+4Gという形になり対応外になってしまうからです。
昔のガラケーSIMを使用すれば使えるのでは思われるかもしれませんが、auの3G通信方式はdocomoやSoftBankが使用するW-CDMAではなくCDMA2000という方式で、対応している機種がほぼ存在しない為、99%使用出来ないと考えて頂いた方が良いでしょう。

・日本での歴史

実は2010年代前半からキャリア以外から発売される格安スマホにも搭載されている機能。 しかしSoCの性能の都合上SIM2が2G(GSM)にしか対応していなかった為、2G(GSM)回線を使用していない日本では利用する事が出来ませんでした。 その後2016年にSnapdragon820が4G+3Gの同時待ち受けをサポートすると、スマホとガラケーの2台持ちが1台に納められると話題になり、一気に認知度が上がりました。

■DSDV

・機能の概要

Dual-SIM Dual-VoLTE(デュアル シム デュアル ヴォルテ)の略称。 Dual-VoLTEの名前の通り、4G対応SIMを2枚挿して使う事が出来る。 組み合わせ的にはSIM1(4G/3G/2G)+SIM2(4G/3G/2G)というパターンで使用可能。 4G+4Gが可能になった為、au VoLTE SIMを2枚挿してau+auで使うことが出来るようになった。

・使用時の注意点

Standbyの文字がなくなったので勘違いしそうですが、DSDVもDSDS同様に『同時待ち受け』のみで『同時通信』は出来ません。 また、DSDSでは4G SIMと併用する事でdocomo FOMA SIM(3G専用SIM)が利用できたが(※)、DSDV対応スマホでは使えないケースが多くあるようなので、気を付けなければいけない。
※本来FOMA SIMは4G対応スマホに挿しても認識されないが、4G+FOMA SIMという組み合わせでDSDSする時のみ4G対応スマホでも認識される。

・日本での歴史

2017年12月に発売されたMate10 Proが世界初のDSDV対応スマホ。翌年2018年にSnapdragon845世代のSoCが対応するようになると、格安SIMユーザー増加と回線に縛られないSIM選びが出来る便利さがあいまって、DSDS登場時以上に人気を博しました。 2020年3月現在でもDual-SIMスマホのスタンダード方式となっています。


■その他のDual-SIM方式

・DSSS

Dual-SIM Single-Standby(デュアル シム シングル スタンバイ)の略称。 SIMを2枚挿せるが同時待ち受けは出来ないので、もう1つのSIMを使う場合は設定画面からSIMの切り替えをしなければならない。

・DSDA

Dual-SiM Dual-Active(デュアル シム デュアル アクティブ)の略称。 同時待ち受けではなく同時使用が可能で、SIM2で通話しながらSIM1でデータ通信という使い方が出来ます。 真のDual-SIMと呼ばれたりもするが、ほほ存在しないに等しい幻の方式。 2020年3月現在の日本において、非公式でユーザー確認というレベルではありますが、Huawei P30が唯一のDSDAに対応スマホとされています。


■iPhoneも実は…

あまり知られていませんが2018年発売のiPhone XS・iPhone XS Max・iPhone XR、2019年発売のiPhone 11・iPhone 11 Pro・iPhone 11 Pro Maxも実はDSDV対応スマホです。 国内キャリアが販売してるものでもSIMロック解除されていればDSDVは解放されます。 ただし、iPhoneの場合はAndroidスマホのDual-SIMと仕様が異なります

・物理SIM+eSIM

eSIMとは実際にSIMカードを挿すのではのではなく、本体に内蔵されているチップに回線契約を書きこむ仕様の事。 SIMカード+eSIMのDual方式の場合、カードが存在しないeSIMの対比として、SIMカードを物理SIMと呼ぶ。

・使用時の注意点

iPhoneにeSIM契約を入れる事を正式にうたっているメーカーは少なく、まだまだマニアックな使い方なので、一般的になるにはもう少し時間が掛かるかもしれません。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。