スマホ用語解説「海外携帯」
スマホ用語解説『海外携帯』
海外携帯・海外端末・海外スマホ・海外SIMフリーなど色々な呼称がありますが主に『海外で流通しているスマホ(タブレット)』を指す用語です。
スマホやガジェットが好きな方はご存知の方も多いと思いますが、最後まで読んで頂ければ知らない部分が見つかるかもしれません。
海外携帯の分類
海外携帯を『海外メーカーの携帯』を指す用語と思われている方もおられるかもしれませんが、海外携帯は『海外で発売された携帯』を指す用語です。
そして海外携帯は大きく分けて2つのパターンに分類する事が出来ます。
1 国内でも販売されている
まずグローバル展開があってその販売国の1つに日本が含まれているものです。
AppleのiPhone、AndroidであればGoogleのPixelシリーズやSamsungのGalaxyシリーズ、そしてSONYのXperiaシリーズが有名です。
その他にもHuawei・OPPO・Xiaomi・ASUS・HTC・LG・ZTE・MOTOROLA・BlackBerryといった( ASUS以外は)キャリアからの販売もあるメーカーは、皆様にも馴染み深いのではないでしょうか。
そしてBlack Shark(Xiaomi系列)・Red Magic(ZTE系列)といったゲーミングスマホメーカー、格安スマホの新興メーカーTCL、クラウドファンディングでスマホを製造販売するUnihertzといった、 一般的なスマホユーザーには余り知られていないようなメーカーなど、実はけっこう日本に進出し ていたりします。
これらのメーカーの国内版は基本的にはグローバル版を日本向けにローカライズしたもので、同じ機種であっても日本向けではない海外向けモデルは海外携帯と呼ばれます。
2 国内では販売されていない
スマホをグローバル展開しているメーカーでも日本に進出していないメーカーもあります。
One Plus(OPPO系列)・Vivoといった海外では大人気の中国メーカー、WindowsPhoneで名をはせたLumia、そしてLumiaブランドを引き継いだMicrosoft。
Microsoftを知らない人はいないと思いますが、Microsoftがスマホを出していることは余り知られ ていないと思います。
あとは、1であげたメーカーにも日本未発売の機種があり、日本に進出しているからといって製 造した全てのスマホを投入している訳ではありません。
Appleは初代にあたるiPhone2G以降、GoogleはPixel3以降全てのモデルを国内販売していますが(今のところは)、世界シェア1位のNo.1AndroidスマホメーカーのSamsungや日本のメーカー のSONYでさえ日本未発売の機種が存在します。
余り知られていませんが、SHARPやPanasonicも海外だけでしか販売していないスマホがあり、それらはもちろん海外携帯にカテゴライズされます。
海外携帯の魅力 ~ガラケー時代~
2010年代中頃にキャリア以外にもスマホの販路が確立され始め、今でこそ日本でもSIMフリーという言葉があたり前になりましたが、ほんの一昔前までは日本にはSIMフリーという概念がないといっても過言ではない状態でした。
そしてその時代といえば日本の携帯がガラパゴス(ガラケーの由来)と呼ばれた時代であり、グローバルと違う方向に独自進化した国内メーカーの携帯(いわゆるガラケー)が幅をきかせ、極一部国内でも発売されていた海外メーカーの人気機種は、一般的なユーザーにはあまり注目されませんでした。
そんな時代ガジェットマニア達は選択肢の狭い日本の携帯ではなく、世界の有名メーカーの最先 端携帯電話が群雄割拠する海外に目をむけました。
海外の携帯電話は日本の携帯電話と違い、基本的にSIMロックが掛っていません。
つまりSIMフリー。
対応周波数さえ合致すれば日本でも使える(※)と人気を博しました。
ちなみにこの時代の日本はSIMロック解除どころか『SIMカードって何?』というレベルで、海外事情を知るガジェットマニアにとっては『SIMフリー=海外携帯』という図式が成り立っていました。
当時の海外携帯の魅力。それは最先端でありSIMフリーであり日本未発売。
所有欲だけでなく承認欲求さえも満たしてくれたことでしょう。
海外携帯の魅力 ~スマホ時代~
2010年代に入り、iPhone以外にもSamusungのGalaxyやHTCのHTC ONEといったAndroidの世界的ブランドが確立しはじめ、フィーチャーフォンからスマホの時代に移っていきます。
しかし、日本はスマホが主流になっても、ガラケー時代と変わらず、キャリアがガッチリとメーカーを囲っているかのような状態で、他国と比べると機種の選択肢は少なく、相変わらずのガラパゴス状態でした。
しかも、グローバルで発売日が統一されているiPhoneシリーズを除き、日本で販売されている殆 どのスマホは、他国よりかな~り遅れて発売されます。
2021年現在でもこの流れはあまり変わっておらず、Androidスマホの最先端といわれ、世界No.1のシェアを誇るGalaxyシリーズのフラグシップモデルでさえ、日本での発売は海外から遅れること2ヵ月といった有様。
発表 ⇒ 発売 ⇒ 評価。
日本版の発売を待っていると世界の流れに乗り遅れてしまいます。
ガジェットマニアにとってはとても辛い…
であれば、海外版を買ってしまえばいい──
海外ECサイトや国内の並行輸入品販売店を利用すれば海外とほぼ時差なく最新最先端スマホを使う事ができる──
ガジェットマニアにとってこれ以上の魅力はないでしょう。
あと、日本のキャリア販売のスマホにはキャリア専用アプリがてんこ盛りで『使わないのに無駄にストレージを圧迫している』という不満の声がけっこうありますが、
グローバル販売のスマホにはそういった無駄がない──
これも魅力の1つだといえるでしょう。
海外携帯の注意点
ここまで海外携帯とはどういうもので、その魅力とはどういうものかを書き連ねて来ましたが、実は気を付けなければならない事もあります。
技適マークの有無
まずは何をおいても1番の注意点がこれ。
法律に抵触します。
どういうことかというと、海外携帯には日本国内での通信認可を得て、技適マークを取得している機種はほぼ存在しません。
そして、一部の特例を除き技適マークがない機器を用いて日本国内で通信することは、違法となります。
また、国内版が発売されている機種であっても、国内版と海外版とでは型番が違うので、基本的には技適は通っていませんので要注意です。
対応周波数の違い
次に気を付けなければいけないのがこちら。
スマホの通信に利用される電波には色々な種類の周波数があり、海外と日本ではメインとなる周波数帯に違いがあります。
中には日本でしか使用されていない周波数帯もあり、日本向けに作られていない海外携帯だとその周波数帯に対応していない場合があります。
では日本向けの周波数帯に対応していない海外携帯に日本のSIMを挿すとどうなるか?
都市部であれば安定して使える事もありますが、郊外に出た瞬間圏外、また都市部であっても建物の中や地下に入った途端に圏外──という感じで、かなり通信が不安定になります。
日本独自の機能
おサイフケータイ・TV機能(フルセグ/ワンセグ)、ガラケー時代から馴染み深いこれらの機能は実は日本独自の機能で、iPhoneの海外版にはおサイフケータイに対応しているモデルもありますが、基本的には海外携帯には搭載されていません。
日本人には当たり前すぎて海外でも同じ機能が使われていると思われがちですが、これらの機能はいわゆるガラパゴス機能というもので、日本独自に発展した日本だけのローカル機能です。
ということで、日本では当たり前だった機能が海外携帯では使用できません。
ちなみに今でこそ海外でもハイエンドモデルには標準で搭載されている防水防塵機能ですが、これも一昔前までは日本独自のガラパゴス機能の1つでした。
まとめ
海外携帯には魅力的な部分が沢山ありますが、大きな注意点もありますので、
興味本位で手を出すと大やけどを負うこのになりかねません。
特に最新ハイエンドモデルになるととんでもない価格になるので、取り返しがつかなくなるような事態にならないように、しっかりと下調べをしておくことをお奨めいたします。
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