移動機物品販売

スマホ用語解説『移動機物品販売』

スマホ用語解説『移動機物品販売』

移動機物品販売とは

移動機とか聞きなれないワードが使われていますが、簡単に言えばキャリアの白ロム販売です。

移動機物品販売

日本ではキャリアは携帯端末を回線契約とセットでしか販売していませんでしたが、実は2019年の法改正により端末のみの単体購入が可能となりました。

ガジェット界隈では盛り上がりを見せた移動機物品販売ですが、一般的認知度はゼロに等しいと思いますので、知らなかったという方は最後までお付き合いください。

キャリア版スマホを買う方法

2019年の法改正以前、キャリア版スマホを回線契約なしの白ロム状態で購入する方法は『中古ショップ・フリマサイト・オークション』しかありませんでしたが、そこに『キャリアショップ』が追加されたというわけです。

移動機物品販売

ということで、キャリアでスマホを購入するパターンは下記の4つとなりました。

  1. 新規契約 ⇒スマホ+回線契約
  2. 機種変更 ⇒スマホ+回線契約
  3. MNP(乗り換え) ⇒スマホ+回線契約
  4. 移動機物品販売 ⇒スマホのみ

正直キャリアの契約って面倒くさいですが数年に1回あるかどうかなので、そんなに意識している方は多くないと思いますが、覚えておいて損はないでしょう。

しかしまぁ『キャリア版スマホをキャリアショップで買えるようになった』って、なんか変な響きですね。

購入方法と必要条件

しかし単体購入が可能になったからといって、欲しい端末をレジに持って行ってサクッとお支払い、又はWEBで欲しい端末をポチっとカートにイン…ってワケには行かないようです。

ドコモの端末を移動機物品購入する場合

  • 店頭又はオンラインで購入可能
  • 個人名義のみ購入可能
  • 支払い方法は口座振替またはクレジットカード
  • 支払い方法は36回・24回・12回の分割払い、または一括払い
  • 24回の分割払いの場合はいつでもカエドキプログラムが利用可能
  • 本人確認書類が必須(運転免許証又は運転経歴証明書)
  • 新規契約と同様の手続きが必要(回線契約はされない)
  • オプションサービスはケータイ補償サービスのみ申込み可能
  • オンライン購入の店頭受取りが可能

docomo 機種だけ購入(白ロム購入)について

auの端末を移動機物品購入する場合

  • 店頭又はオンラインで購入可能
  • 個人名義のみ購入可能
  • 各種オプションの申し込み不可
  • 分割購入の場合はスマホトクするプログラムの申し込みが必須
  • 支払い方法はクレジットカードまたは代金引き換え
  • スマホトクするプログラムの申し込みには本人確認が必要
  • アクセサリー含むオプション品との同時購入は不可

au スマホ単体購入手順について
au スマホ単体購入について

SoftBankの端末を移動機物品購入する場合

  • 店頭での購入のみ、オンライン購入不可
  • 身分証明書が必要

ただスマホを買うだけのことにこんなに条件を箇条書きにしなければならないって…(汗)

しかもSoftBankはドコモ・auと違いオンラインショップでの購入は不可で、WEBページすら無いという状況です。(2021年12月現在)

オンラインショップで購入する場合

移動機物品販売

購入したい端末を選ぶと画像のように専用の入口があります。画像左がドコモで画像右がau(どちらもスマホ閲覧時)なのですが、目立たなく配置されているので見落としやすいので気を付けましょう。

あとは内容に従って購入という流れになります。

店頭で購入する場合

キャリアショップの実店舗といっても直営店・代理店・量販店があります。

購入条件等上記のオンラインショップの内容と大きな違いはないとは思いますが、支払い方法に関しては店舗によって違いが出て来る可能性があるかしれません。

なので店頭購入の場合は在庫の有無と合わせ事前に確り確認しておきましょう。代理店・量販店に関しては特に念入りに確認しておいた方が良いかもしれませんね。

移動機物品販売の注意点

移動機物品販売

回線契約とセットで購入する場合と単体購入する場合で気を付けなければいけないのはこの2点。

新機種は割高になるかも?

長期の回線契約を得るために各キャリア独自の施策を行っています。36回分割で購入して2年後に『下取りに出せば実質お安くなりますよ』的なアレですね。

実は最近ではそのプログラムを適応してもらう為に、新機種の初期価格が高く設定されている場合があります。

なので新機種を単体購入すると本来の価格より本体価格が高くなってしまうなんてことも。

ネットワーク利用制限[─]

移動機物品販売

移動機物品販売を利用して購入した端末は、回線契約と紐づいていないため、ネットワーク利用制限の判定外となります。

いわゆるネットワーク利用制限[─]状態ですね。
この状態の端末を買取に出すと減額、または最悪の場合買取不可なんてことも。

何故か単体購入できないという声が

キャリアのスマホ単体販売解禁後、早速移動機物品販売にチャレンジするガジェット好きな方々が現れましたが…

  • 買いに行ったらスマホの単体販売は出来ないと言われた
  • 在庫確認の上で店に行ったのに単体購入と伝えると売り切れましたと言われた
    etc…

なんとスマホ単体販売を拒否されたという報告がSNSに続々と投稿されたのです。

そして総務省が動きました。
以下はその調査報告(2021年3月26日)となります。

覆面調査の概要・結果
総務省は、非回線契約者に対して端末を販売することとしていながら、店頭で非回線契約者に対する端末販売を拒否することにより、電気通信事業法第27条の3の規律を潜脱する行為が行われないか、実態を把握するために覆面調査を実施した。

[覆面調査の内容]
期 間:2020年12月から2021年2月までの間
対 象:MNO3社の販売代理店
調査項目:①非回線契約者への端末販売の可否、②非回線契約者への端末購入サポートプログラムの提供の可否及び③回線契約をした場合の利益提供額(上限2万円の範囲で利益提供が行われているか。)
覆面調査の結果、MNO3社の一部の店舗において、非回線契約者への端末販売拒否(上記①)や端末購入サポートプログラムの提供拒否(上記②)が行われた事案が報告された。

総務省 電気通信事業法第27条の3の規律に係る覆面調査の結果について より一部抜粋(PDF)

MNO(キャリア)の移動機物品販売の現状【①非回線契約者への端末販売の可否】に関して【覆面調査の結果、MNO3社の一部の店舗において、非回線契約者への端末販売拒否~略~が行われた事案が報告された】とあります。

移動機物品販売の拒否が事実だと確認されたワケです。

中にはスタッフの認識不足もあったかもしれませんが、キャリアは回線契約してなんぼで、そもそも利益の薄い単体販売にメリットがない。

例えば回線契約を取る為に値下げした特売品が回線契約なしで減っていく──

自分がスタッフだったらと思うと拒否したくなる気持ちも、まぁ理解は出来ますしね。

だからといってやっちゃダメですけど。
で、現状ですが今でもちょろちょろ拒否報告を目にしますので、移動機物品販売を利用しようと思われている方は、Twitterやブログを巡回して確り対策しておいた方がよさそうですね。

まとめ

総務省が『通信料金と端末代金の分離』を図るための法改正によりキャリアショップでも携帯端末の単体購入が可能になりましたが、現状ではさして大きなメリットはないかなと…

移動機物品販売

例えば特売によって超お買い得な案件が出て、ちょっとしたお祭りになったりという事がしばしばございますが、そういう案件はスマホに対して一般的なアンテナしか張っていない方ではなかなか見つけられないかも?という感じです。

ということで。
もしこの記事を切っ掛けで興味が出たという方がおられましたら、SNSやGoogleを上手く活用してより深く調べられることをオススメ致します。

追記(2022年3月14日)

販売代理店に関する情報提供窓口に寄せられた通報について

・2021年9月10日、総務省は、販売代理店における不適切な行為や、それを助長していると思われる電気通信事業者の評価指標、指示、圧力、不作為等があった場合に、その情報を提供いただくことを目的とし、「携帯電話販売代理店に関する情報提供窓口」を開設。

・ 2021年9月~2022年2月末までに寄せられた通報は計701件。その内、(2)「通信料金と端末代金の完全分離」違反に関する通報は394件。

(1)「適合性の原則」違反 128件(18.3%)
(2)「通信料金と端末代金の完全分離」違反 394件(56.2%)
(3)その他 179件(25.5%)

(2)は主に「端末の単体販売拒否」「利益提供の上限超過疑義」に関する通報が含まれる。(1)(3)として通報されたものも含め、事業法第27条の3違反が疑われる事案は352件

事業法第27条の3違反が疑われる事案の件数(キャリア毎)

事業法第27条の3違反が疑われる事案の件数(キャリア毎)は、以下の通り。

NTTドコモ   62件
KDDI     130件
ソフトバンク 139件
楽天       3件
不明      18件
※2021年9月〜2022年2月

事業法第27条の3違反が疑われる事案の件数(店舗属性毎)

事業法第27条の3違反が疑われる事案の件数(店舗属性毎)は、以下の通り。

キャリアショップ 126件
量販店      185件
店舗属性不明    41件

キャリアショップ 7104店(1.8件/100店)
量販店等     1294店(14.4件/100店)
※2021年9月〜2022年2月

寄せられている通報の例(一部抜粋)

1.端末の単体販売拒否
iPhoneSE2のMNP乗り換え販売キャンペーンにて、在庫があるかどうかを確認した際「ある」とのことであった。割引22,000円がなくなることは了解した上で回線契約なしで販売してほしい旨言ったところ、「そのようには販売できない」と販売を拒否された。(NTTドコモ/量販店)

2.端末単体販売時の割引拒否
MNPでiPhone SE 64GB 一括10円(対象機種限定特典33260円割引+MNP割引22000円)のキャンペーンを実施していた。新規契約でも一括10円と案内を受けて、順番待ちをした。しかし、順番になったところで新規ではなく単体で購入したい旨を申し出ると、単体購入ではキャンペーンが適用できないと拒否を受けた。(KDDI/量販店)

3.利益提供の上限超過疑義
Google Pixel 4a(5G)が新規/乗り換えで一括1円と店頭の広告に記載。端末の在庫があることを確認したのち、単体での購入を希望したところ、「回線契約がないと定価での販売」になると断られた。セット販売時の最大値引き可能額は22,000円なので移動機物品販売でも22,001円になるのではないかと指摘しても同じことを繰り返し説明する。「回線契約すれば一括1円、契約なしだと定価販売。SoftBankがそう決めている」と説明され、在庫は存在するのに購入できなかった。(ソフトバンク/量販店)

総務省情報提供窓口に寄せられている電気通信事業法第27条の3関係の通報の状況 一部抜粋(PDF)

上記は2022年3月14日に開催された競争ルールの検証に関するWG(第26回)の配布資料から移動機物品販売に関する部分を抜き出したものとなります。

今回は情報提供窓口に寄せられた情報をまとめたものとなっていますが、昨年の覆面調査同様に移動機物品販売の拒否が確認されています。

移動機物品販売の拒否報告は量販店が多く、その中でもSoftBankとKDDIの報告数が目立ちます。

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