スマホ用語解説「GMS」

スマホ用語解説「GMS」

スマホ用語解説『GMS』

「GMS…GMS…どこかで聞いた事があるな…なんだっけ?」

Androidスマホ、とくに海外版や海外メーカーのスマホを検討した亊がある方は見覚えがあるかもしれません。
最後まで読んでいただければ、どこかで見聞きしたのか謎が解けるかもしれません。

GMSとはどんなサービスなのか?

スマホ用語解説「GMS」

まずGMSとはGooglMobileServiceの略称で、GoogleのアプリやインターフェースをAndroid搭載端末にプリインストールできるサービスを指す用語です。

Androidユーザーの方なら皆様ご存知の『GooglePlayストア』『Google検索』『GoogleChrome』『YouTube』『Googleマップ』『Gmail』のことですね。

『プリインストールできるサービス』と書いたように、このサービスは開発者向けのもので、スマホ・タブレットなどの端末を開発・製造するメーカーがGoogleとライセンス契約をしてインストールします。

Android端末ができるまで

スマホ用語解説「GMS」

iOSはAppleのiPhoneにしか搭載されていませんが、Androidは数多くのメーカーの端末に搭載されています。

GoogleはAndroidをAOSP(AndroidOpenSourceProjec)として無償提供しており、メーカー各社はこれを利用し端末を開発・製造するのですが、素の状態のAndroidには「通話」「メール」といった基礎中の基礎の機能しかありません。

GooglePlayストアさえ入っていないという事は、このままの状態のAndroidを搭載した端末を販売したとしても、ユーザーの手でアプリをインストールする事ができません。

そこで有償サービスであるGMSの登場──つまり無償でOSを提供されても、GoogleとGMSのライセンス契約をしなければ商品にする事ができない──というわけです。

と、まぁこんな感じでメーカーはAOSP+GMSという基礎の上に、独自のチューニングを施したり独自のアプリを搭載させたりて自社ブランドのAndroid端末に仕上げていきます。

GMS非対応という例外

AOSP+GMS──実はこのパターンには例外が存在します。

スマホ用語解説「GMS」

それは中国本土(台湾・香港・マカオ除く)で販売されているAndroid端末です。

中国のメーカーとしてはHuawei・OPPO・Xiaomiなどが日本に進出しており有名ですが、日本に進出していないメーカーも数多く存在し、グローバルに展開しています。

そしてグローバル展開をしている中国のメーカーは、同じモデルでも中国本土で販売するものとそれ以外の地域で販売するもので、搭載しているOSを使い分けています。

  • 中国本土で販売⇒GMS非対応OS(Androidベース)・他の地域で販売⇒GMS対応OS(Androidベース)

なぜこういう感じにになるのかというと──中国の情報規制が要因です。

平たく言えば他国の文化や情報がてんこ盛り満載のGMSはNGということなんです。

そういった理由から中国国内で販売されるスマホ・タブレットには、AOSPのみを利用し独自のカスタマイズが施されたGMS非対応のOSが搭載されるというわけです。

OSの名称もメーカー各社が独自のカスタマイズを施しているので、HuaweiならEMUI、OPPOならColorOS、XiaomiならMIUIという具合です。

ちなみに日本を含む中国本土以外の地域で販売されているモデルにはOSの名称の後に【basedonAndroid】と表記が入ります。

スマホ用語解説「GMS」

ということで中国本土で販売されているAndroid端末にはGMSに対応していません。
もし中国本土でスマホを購入することや、日本国内で中国版と明記されているAndroid端末を購入することがあれば、この点に留意しなければいけません。

Huaweiの脱Google

Huaweiの名前を出したからには、やはりこの部分に触れておかなければなりません。

なぜなら最初に書いた「GMS…どこかで聞いたような」の原因こそがHuaweiだからです。

スマホ用語解説「GMS」

一時期は日本国内でも圧倒的ブランド力誇り、格安スマホのNo1シェアを持っていたHuaweiのスマホ・タブレットですが、実は2021年現在ではほぼ流通していないと言っても過言ではない状態です。

2018年8月に米国でHuawei等の中国企業に対して製品調達を禁止する法律が成立。

その後もHuaweiに対する輸出規制の対象範囲を広げるなど規制の手を緩めず、規制猶予期間終了後の2020年9月にHuaweiは実質アメリカから排除されることになりました。

ここまではテレビや新聞で大きく取り扱われていたのでご存知の方も多いと思います。

グローバルだけでなく日本でも圧倒的人気を誇っていたHuaweiでしたが、こうした大人の事情により2020年6月に発表されたP40シリーズ等ではGMSの対応がなくなり、代わりにHMS(HuaweiMobileService)といった独自のサービスを搭載することになりました。

ですがこのHMSではGoogle純正アプリが使えないばかりか、Google純正以外のアプリもHMS対応でなければダウンロードすることもできません。

スマホ用語解説「GMS」

そして現在は完全に脱Google化した自社オリジナルOSであるHarmonyOSを搭載した端末を販売していますが──流石に飛ぶ鳥を落とす勢いだったHuaweiの躍進もここで急ブレーキというわけです。

ですが市場にはまだまだHuawei端末は流通しています。なのでスマホに詳しくない方が他のAndroid端末と同じに使えると勘違いされないように、販売店や販売サイトには2020年6月以降に発売されたHuaweiの端末にはGMS非対応と注釈が記載されます。

米国の制裁に関するニュース、そして注釈の記載──

これが「GMSというワードをどこかで見聞きした」の正体というわけですね。

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