スマホ用語解説「MVNO」
移動通信事業者の種類
毎月の通信費を安く抑える事ができると話題の格安SIMサービス。
どういう仕組みで安くなるのか、品質は大丈夫なのかなど、調べていくとMVNOという言葉がよくでてきます。
他にもMVOやキャリアなど通信のサービスと提供してくれる会社について解説します。
実はMNOの方が身近
MNOとは、Mobile Network Operator/移動体通信事業者。
『電気通信役務としての移動通信サービスを提供する電気通信事業を営む者であって、当該移動通信サービス に係る無線局を自ら開設(開設された無線局に係る免許人等の地位の承継を含む)又は運用している者と定義する』by総務省
簡単に言えば『携帯電話の通信回線を自社で保有し、自社ブランドでサービスを提供している事業者』、つまりドコモ・au・SoftBank・楽天モバイル等のキャリアのことです。
MNO携帯電話事業者
PHS事業者、衛星通信事業者、BWA事業者などのMNOも存在しますが本ページでは割愛させて頂きます。
日本電信電話株式会社 (NTT)
NTT docomo
ご存知国内最大の移動体通信事業者。docomoは『Do Communications over the Mobile network』の頭文字の組み合わせ。
KDDIグループ
au
KDDIと沖縄セルラー電話が運営するメインブランド。国内2位の移動体通信事業者。
UQ Mobile
KDDI傘下のUQコミュニケーションズの運営するMVNOブランドだったが、2020年10月1日にKDDIに統合。SoftBankとY!mobileの関係のようにKDDIのauに次ぐサブブランドになる。
ソフトバンクグループ株式会社
SoftBank
ソフトバンク株式会社が運営するメインブランド。国内3位の移動体通信業者。
Y!mobile
ソフトバンクのSoftBankに次ぐサブブランド。子会社である株式会社ウィルコム沖縄が運営する。格安SIMメーカーと思われがちだが、自社回線を持っているのでMVNOではなくMNOとなります。
楽天株式会社
楽天モバイル
2020年4月8日からサービスを開始。サブブランドを除けばドコモ・au・SoftBankに次ぐ第4のキャリア。
MVNOとは
Mobile Virtual Network Operator/仮想移動体通信事業者。
『MNOの提供する移動通信サービスを利用して、又はMNOと接続して、移動通信サービスを提供する電気通信事業者であって、 当該移動通信サービスに係る無線局を自ら開設しておらず、かつ、運用をして いない者と定義する』by総務省
簡単に言えば『自社で回線を持たずキャリアの回線を借りてサービスを提供する事業者』、つまり皆様がお馴染みの格安SIMメーカーとなります。
(後で詳しく説明させて頂きますが厳密に言えばMVNOと格安SIMはイコールではありません)
主なMVNO事業者
b-mobile
日本通信が運営するブランド。日本初のMVNO。
IIJmio
ドコモ回線プランとau回線プランあり。またドコモ回線の『フルMVNO』サービスも提供。
OCNモバイルONE
NTTコミュニケーションズが運営するブランド。プランはドコモ回線のみ。
mineo
株式会社オプテージ(旧株式会社ケイ・オプティコム)が運営するブランド。ドコモ回線・au回線・SoftBank回線のマルチプランを提供。
LINEモバイル
2018年にLINEの子会社からソフトバンク傘下になる。ドコモ回線・au回線・SoftBank回線のマルチプランを提供。
楽天モバイル
もともとはMVNOだったが、MNO開始に伴い2020年4月7日に新規申し込み受付終了。
UQ Mobile
2020年10月1日にKDDIのサブブランドとしてMNOに。
フルMVNO
2018年3月15日IIJが日本初となるフルMVNOのサービスを開始しました。次いで2020年2月には総合商社の丸紅がサービスを開始し、NTTコミュニケーションズも参入表明をしましたので、最近耳にされた方も多いのではないでしょうか?
フルMVNOとは無線設備以外の全てを自社で運用しサービスを提供する形(下記の図参照)で(一般的なMVNOはフルMVNOに対してライトMVNOと呼ばれます)、コアネットワークを自社で保有し加入者管理機能(HLR/HSS)も運用する為MNC(事業者コード)が割り振られます。
『自社で基地局を持たないキャリア』といえばイメージしやすいかもしれません。
https://www.iij.ad.jp/dev/report/iir/038/02.html 参照
また、フルMVNOはMNOからのまた貸しでSIMを発行するライトMVNOと違い、自社独自のSIMを発行する事が出来ます。自社SIMが発行出来るようになると開通・中断を自由に出来るようになるなど様々なメリットが生まれます。
1つ注意点としては、ライトMVNOの場合は基本的にはドコモ回線SIMならSIMロック解除されていなくてもドコモの端末で使用できますし、au回線SIMならSIMロック解除されていなくてもauの端末(2017年8月1日以降に発売された機種)で使用できますが、フルMVNOはキャリアと同じ扱いになるので回線と端末のブランドが合致していてもSIMロック解除が必要になります。
MVNEとは
Mobile Virtual Network Enabler/仮想移動体サービス提供者
『MVNEとは、MVNOとの契約に基づき 当該MVNEの事業の構築を支援する事業を営む者(当該事業に係る無線局を自ら 開設・運用している者を除く)と定義する』by総務省
簡単にいうとMVNO参入を支援する事業者となります。
MVNOに参入するには、MNOが定める最低通信容量や接続する為の設備など、かなりのコストが掛かってしまうため、小規模MVNOでは運営が困難となります。
そこで大手MVNOが小規模MVNOを展開したい会社とキャリアの間に入り、接続装置の準備や通信容量の小分けなどを行うわけです。
ドコモ(MNO) ⇒ IIJ(MVNE) ⇒ BIC SIM(MVNO)
ドコモ(MNO) ⇒ OCN(MVNE) ⇒ NifMo(MVNO)
簡単に流れをまとめるとこういう感じですね。マイナーなMVNO SIMを買ってみたらAPNが大手MVNOと一緒…こういうパターンは全てMVNEを介してのMVNOとなります。
主なMVNE事業者
ドコモ系⇒IIJ・OCN・So-net・BIGLOBE・b-mobile・mineo
au系⇒IIJ・mineo
SoftBank系⇒b-mobile
格安SIM≠MVNO
MVNO SIMが一般的になり始めたころ自然発生的に『格安SIM』という言葉が生まれ、現在では低価格で自分の使い方に合わせて買えるSIMの総称として定着しましたが、厳密に言えばイコールではありません。
ここまで読んでいただいた方ならもうお分かりだと思いますが、Y!mobileは格安SIMを謳ってますがMVNOではなくMNOです。
(UQ mobileも2020年10月1日からMNOになります) 格安SIMという言葉に厳密な定義はないため、MVNO SIMが格安SIMという呼称で話題になり始めてから、MNOであるY!mobileが乗っかった形ですね。
MVNOはMNOの回線の一部を借りて通信しているので、MNOより速度が出ませんし時間帯による混雑具合で通信が安定しない時があります。
なのでY!mobileが『他の格安SIMより断然早い』とMVNOと比較しているような記事を見掛けても『そうなんだ!凄い!!』とならないようにご注意ください。
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