スマホ用語解説『eSIM』


2020年10月20日総務省は携帯料金値下げの一環としてeSIM普及を推進する方針を盛り込みました──
なるほどなるほど携帯料金値下げに向けて総務省が動いているのか…で、eSIMってなに?
と、なった方もけっこう多いのではないでしょうか?

eSIMってなに?

eSIMを分かりやすく簡潔に説明するために『SIM』『SIMカード』からの『eSIM』という感じで箇条書きにしてみました。

SIM⇒Subscriber Identity Moduleの略で、無理やり日本語にすれば『交換可能な加入者身元特定部分』となります。

SIMカード⇒契約者識別番号(IMSI)・ICCID・暗号キー・電話番号・メールアドレス・電話帳が記録された接触型ICカード。

eSIM⇒Embedded SIMの略で、本体組み込み(Embedded)型SIMカード。

現在流通しているスマホの大半はSIMカードをSIMスロットに挿して通信しますが、eSIMは本体にSIMが内蔵されているのでカードが必要ありません。

プロファイル(SIMカードに書き込まれている情報)を直接スマホにダウンロードし書き込むことで通話・通信が出来るようになります。


eSIMのメリット

  • SIMカードの購入にショップに行ったり、郵送で届くのを待ったりといった手間が掛からない。
  • 紛失・破損の心配がないので再発行の手間や手数料などの煩わしさがなくなる。
  • 複数のプロファイルを登録しておくことが出来るので、回線を使い分ける際に差し替えの手間が掛からない。
  • 海外に出張が多い方だと現地キャリアのプロファイルを登録しておけば、事前に海外SIMを準備したり現地で購入したりといった面倒がなくなる。

eSIMのデメリット

  • 国内でサービスを提供している会社が少ない
  • 使用出来る機種がまだ少ない
  • 設定にWi-Fi環境が必要
  • 機種変更時のプロファイルの書き換えが有料の場合がある

日本の現状

大人の事情があるのかキャリアがイマイチ乗り気じゃないeSIM…ドコモが2017年に発売したタブレットdtab Compact d-01JはeSIM契約機種として発売されましたが、実はSIM内蔵型ではなく『SIMカードの情報書き換え式』でした。

またApple Watchはseries3からeSIMを内蔵していますが、MVNOには解放されておらず購入したキャリアの契約しか書き込むことが出来ません。

ですが最近になって流れが大きく変わってきています。
最初にも書いた通り総務省が携帯料金値下げの一環としてeSIMの普及を推進していくと発表しました。

そしてキャリアになってからeSIMに積極的な楽天モバイルが2020年10月12日から『nanoSIMカードやeSIMの交換・再発行の際の手数料』を無料にしました。
完全にeSIMに切り替わるのはまだまだ先になるとは思いますが、何年か先にはeSIMがメインになっているのではないでしょうか?

※2020年10月現在eSIMサービスを提供している会社はIIJ・楽天モバイル・au(海外利用時のみ)となります。


国内で発売されているeSIM対応機種

海外では物理SIM+eSIMといった構成のデュアルSIMスマホが結構発売されて来ていますが、国内で発売されているものとなるまだまだ少ないのが現状です。

nanoSIM+eSIMのスマホ

  • iPhone XSシリーズ/iPhone XR/iPhone11シリーズ/iPhone SE(第二世代)iPhone12シリーズ
  • Pixel4/Pixel4 XL/Pixel4a(5G)/Pixel5

eSIMのみのスマホ

  • Rakuten mini/Rakuten Big

タブレットとなってくるとiPadやSurface Pro、TransBook miniの新しい機種がeSIM対応になっていたりしますが、スマホと比べてもまだまだ少ないのが現状です。
という感じでまだまだ発展途上のeSIMですが『ちょっと体験してみたいな…』と思われた方がおられましたら『Rakuten un-limit+iPhone』で遊んでみるのが良いかもしれませんね。

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