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スマホ用語解説『コーデック』

アナログの時代からデジタルの時代になり画像も音声も全てデータ化されるようになりましたが、アナログをデジタル化する際そのままではデータ容量が大きくなりすぎてしまいます。
なので画像や音声をデジタルに変換する際に圧縮を掛けます。
そしてそのアルゴリズムをコーデックと呼びます。
JPEG・MP3・SBC等は皆様も馴染み深いワードだと思いますが、これらは全てコーデックの名前です。
ということで、今回はスマホに関わり深いコーデックに関して解説していこうと思いますが、詳しく解説し過ぎると専門用語だらけになるので、要点をかいつまんだ解説していこうと思います。

圧縮形式

まず圧縮形式に関して軽く説明しておこうと思います。
圧縮形式は非可逆式と可逆式の2種類があり、其々下記のような特長があります。

非可逆式(別名ロッシー方式)

高圧縮でデータサイズを小さくする方式で、圧縮前と圧縮後のデータが一致しないので元に戻すことが出来ません。
例えば音声データの場合だと人間の可聴領域外をカットして圧縮するので、元データの一部が無くなります。なので元に戻せなくなるという訳です。

可逆式(別名ロスレス方式)

圧縮前と圧縮後のデータが一致するので、圧縮前に戻すことができます。
元データと比べても劣化を殆ど感じませんが、圧縮率が低いので非可逆式と比べデータ容量は大きくなります。


画像コーデック

コーデック 拡張子 圧縮方式 特長
JPEG .jpg .jpeg等 非可逆方式 1670万色までサポート。おそらく最も有名なコーデック。可逆/非可逆両対応のJPEG2000がある。
GIF .gif 可逆方式 256色までサポート。正式な読みはギフではなくジフ。アニメーションが可能なことで有名。
PNG .ping 可逆方式 フルカラーサポート(約280兆色)。透明化が可能。アニメーションはサポートされていない。
WebP .webp 両対応 Googleが開発した静止画。ウェッピーと読む。アニメーションも透明化もサポート。

それぞれ特長がありますが皆様もお馴染みだと思いますのでこれ以上の説明はいらないかな?
ただ、最近急速に普及し始めて、目にする機会も増えて来ているWebPだけは、もう少し説明しておかなければいけませんね。

WebP

WebPはGoogleがWEBページを早く表示させユーザー体験を高めるために開発した独自の規格で『ウェッピー』と読みます。
以前は表示できるブラウザが少なかったのですが、現在ではiOS14・iPad14でサポートされた事もあり、ほぼ全てのブラウザで表示可能になりました。
今後WEBの主流になっていく画像コーデックといわれていますが、『保存が上手くいかない…』という経験をされた方けっこうおられるんじゃないでしょうか?
スマホだと長押しダウンロードでJPEG等に変換されて簡単に保存できますが、パソコンだと右クリック保存しても『.webp』で保存され、開けるとURL上で展開されます。
これ、不便なんですよね…
調べればパソコン上でも他のコーデックに変換して保存する方法は出て来ますが、面倒だと思いますので現状ではスマホでダウンロードするのがベストかもしれませんね。


音声コーデック

圧縮方式 主なコーデック 拡張子 圧縮率
(PCMとの比率)
ハイレゾ
非可逆方式(ロッシー) MP3 .mp3 5~20% ×
AAC .mp4 .mp4a
WMA .wma
Vorbis .ogg .ogx
可逆方式
(ロスレス)
FLAC .flac 50~70%
ALAC .m4a .mov .alac
非圧縮
(PCM)
WAV .wav 100%
AIFF .aif .aiff

スマホ・オーディオプレイヤーの音声にも色々なコーデックが存在します。上の表は皆様が目にする機会が多いであろうコーデックをまとめたものです。

PCMとDSD

音声をデジタル化する方式で1番普及しているのがPCM(Pulse Code Modulation/パルス符号化変調)で、CD・DVD・地デジ等幅広く使用されされています。もちろん表のコーデックもこの方式に則ているのでPCM方式となります。
つまりPCMは音声デジタル化方式の『基本中の基本』『ザ・王道』です。
そんなPCMと比べるとまだまだ普及していませんが、DSD(Direct Stream Digital)というデジタル化方式が存在しています。

PCM⇒パルス変調符号
DSD⇒パルス変調密度

PCMとDSDは全く異なる方式なのですが、詳細を書くとスマホ用語解説の範疇からはみ出てしまうので割愛させていただきます。(興味のある方は是非検索してみ下さい)
DSDはHi-Rez(ハイレゾ)音源として音楽配信サイトのmoraが取り扱いを初めていますが、基本的にはハイレゾ対応スマホなら再生可能です。
ちなみにDSDの拡張子は.dsf .dffです。
そしてこのPCM方式とDSD方式のどちらが優れているのかというと…
どちらも一長一短あって単純には比較出来ないみたいですね。

通話もデジタル化されます

スマホの音声といえば音楽だけではありませんよね?
スマホは基本的には電話なので1番肝心な音声といえば通話の音声。
もちろん通話もデジタル変換されておりますのでコーデックが存在します。

3G通話⇒AMR-NB
VoLTE通話⇒AMR-WB
VoLTE(HD+)⇒EVS

まぁ、そんなに必要とされる知識でもないとかと思いますので豆知識程度に。


Blutoothコーデック

コーデック 信号 ビット
レート
ハイ
レゾ
遅延 備考
SBC 48kHz/
16bit
328kbps 220ms
(±50ms)
標準コーデック遅延が発生しやすい
ACC 48kHz/
16bit
非公表 非公表 iPhoneメイン
高音質・低遅延
CD音質相当
aptX 48kHz/
16bit
384kbps 70ms
(±10ms)
Ancroidメイン
高音質・低遅延
CD音質相当
aptX HD 48kHz/
24bit
576kbps 約130ms Androidメイン
ハイレゾ相当
aptX LL 48kHz/
16bit
352kbps 40ms未満 aptXの低遅延版
aptX adaptive 96kHz/
24bit
260~640kbps 80~
100ms
Androidメイン
CD~ハイレゾ相当
LDAC 96kHz/
24bit
990kbps
660kbps
330kbps
非公表 SONY製コーデック
CD~ハイレゾ相当

ワイヤレスイヤホンはオーディオプレイヤーとBluetoothで接続しますが、Bluetoothの通信速度はそれほど早くないので、圧縮されて送信されます。
高圧縮率のコーデックは遅延が少ないが音質が低く、逆に低圧縮率のコーデックは音質が良くなるが遅延が生じやすくなる特長があります。
遅延が生ずると動画やゲームで音ズレが生じたり、純粋な音楽の再生であっても音の途切れが発生しやすくなります。
Bluetoothコーデックの詳細はスマホ用語解説『Bluetoothコーデック』をご覧下さい。


最後に

画像・音声・Bluetoothと続けてきて【最後に】って…『え?動画は?』と思われたかもしれませんが、動画データに関してはスマホ用語解説『コンテナ』で解説いたしますのでそちらをご覧下さい。

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