5Gの電波、Sub-6とミリ波について
5Gの電波は2種類あるのをご存じですか?
1つはSub-6
1つはミリ波
耳にした事はあるけど気にしたことがないという皆様、深く知らなくても軽く知っているだけでもスマホ選びの基準の1つになると思いますので、ぜひこの機会に!
5Gを軽くおさらい
5Gは新しい無線技術(NewRadio)で「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」の特徴を持ち、医療・産業・交通・エンタメetc…全ての分野に影響を及ぼし世界が変わるとさえ言われています。
※詳しくはスマホ用語解説『5G』をご覧下さい。
1世代前の4G LTE(Long Term Evolution)は3.6GHz未満の周波数帯を利用して通信を行いますが、5G(New Radio)は3.6GHz以上の周波数を利用します。
※4GがLTEと呼ばれるように5GもNRと呼ばれることがあります。
電波の周波数帯による特性
4Gの全盛期、プラチナバンドという言葉を耳にされたことはありませんか?
プラチナバンドとは簡単にいうと700~900MHzの低周波数帯の事で、高周波数帯に比べると速度は速くはありませんが、障害物に邪魔され難く繋がりやすいという特性があり、4Gで広範囲をカバーする為の重要な役割を担っています。
このプラチナバンドがなければ室内や地下などでの通信が困難になるというくらいです。
このように電波は周波数帯の高さによっても特徴が変わってくるのですが、もちろん5Gの電波にもそれがあてはまります。
そして5Gの電波にも低周波数帯と高周波数帯が存在しており、その特徴にあった役割をそれぞれで果たしています。
それがSub-6とミリ波です。
Sub-6とは
Frequenccy Rage1(FR1)の呼称で3.6~6GHzの5G周波数帯。
日本には3.7GHz帯と4.5GHz帯が割り当てられている。
ミリ波と比べると速度は遅くなるがカバーエリアは広い。
5G通信のメイン電波。
ミリ波とは
Frequenccy Rage2(FR2)の呼称で28~300GHzの5G周波数帯。
高周波数帯なので障害物に弱く広範囲をカバー出来ない為、人が多く集まるような場所をスポットでカバーしていく形で整備されていきます。
mmWaveと表記されることもありますがミリ波と同義である。
日本国内の5G周波数帯
日本国内ではSub-6帯として3.7GHz帯と4.5GHz帯、ミリ波帯として28GHz帯が使用されており、2019年4月に総務省によりドコモ・au・SoftBank・楽天モバイルに割り当てられました。
各キャリアの5G対応
【ドコモ】3.7GHz帯1枠・4.5GHz帯1枠・28GHz帯1枠の合計3枠。
【au】3.7GHz帯2枠・28GHz帯1枠の合計3枠。
【SoftBank】3.7GHz帯1枠・28GHz帯1枠の合計2枠。
【楽天モバイル】3.7GHz帯1枠・28GHz帯1枠の合計2枠
これだけでは分りにくいと思いますので表にまとめてみました。
周波数帯 バンド |
Sub-6(3.7GHz帯) | Sub-6(3.7GHz帯) | Sub-6(4.5GHz帯) | Sub-6(28GHz帯) |
---|---|---|---|---|
n78 | n77 | n79 | n257 | |
ドコモ | 3.6〜3.7GHz | 4.5〜4.6GHz | 27.4〜27.8GHz | |
au | 3.7〜3.8GHz | 4.0〜4.1GHz | 27.8〜28.2GHz | |
Softbank | 3.9〜4.0GHz | 29.1〜29.5GHz | ||
楽天モバイル | 3.8〜3.9GHz | 27.0〜27.4GHz |
ちなみにですが5Gではバンドを表わすのにn〇〇というふうに明記します。
あとコチラに記載してない5G周波数帯がありますが、それに関してはこの後の項目で解説したいと思います。
※auのn77はau公式では4.0GHz帯とされています。
5Gエリア拡大の為に
以上Sub-6とミリ波について解説して来ましたが、よくよく周波数帯の数字を見てみると、
いくらSub-6がミリ波より低周波数と言えども、そもそも5Gの周波数自体が4Gの周波数よりも高周波数なんです。
つまり5Gはもともと4Gより繋がりにくいのです。
なので、現在の4G通信のレベルまでつながりやすくするには5G基地局を4G基地局以上に設置しなければいけないということになります。
転用5G
転用5Gとは4G LTEに割り当てられた既存周波数を5Gに転用するというもので、上述したエリア拡大の課題をクリアするための施策1つ。
総務省はこの転用を認めて省令を改正したので、2021年2月15日にSoftBankが700MHz帯・1.7GHz帯・3.4GHz帯を、2021年4月にauが700MHz帯を5Gに転用したサービスを開始しています。(2021年4月現在)
ただdocomoはこの転用に5Gに対して賛成ではあるものの『優良誤認ではないか?』とし、転用5Gには消極的だったりします──
どういうことかと申しますと
4G LTEの周波数帯を転用するということは、使用する周波数帯が異なるため5Gが謳う速度が望めない──散々宣伝した『超高速5G』とはほど遠い速度しか出ないのに、エリアマップ上には5Gエリア記載されるし、端末の通信表示は5Gとなる──つまり『優良誤認ではないか?』ということです。
とはいうもののdocomoの5G展開戦略に転用5Gは含まれており、早ければ2021年後半からの運用開始との話もでています。
転用5Gに積極的なSoftBankとauは既に運用開始しているだけに、docomoの今後の展開にも要注目といったところです。
個人的には『なんちゃって5G』といわれてもとりあえずエリアが拡大する事は良いことだと思いますが、皆様はどう思われますか?
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