iPhone SE2のコスパ

2021年1番売れたスマホ、iPhone SE2

─最強過ぎるコスパを解説─

2020年4月発売ながら2021年最も売れたスマホ、第2世代iPhone SE(以下iPhone SE2)※。

※2021年に売れたスマートフォンTOP10(BCN+R)より

性能に対して価格がとてもリーズナブルで、とにかくコスパが半端ないんです。

そんな大人気のiPhone SE2は、iPhone8の身体にiPhone11の脳ミソを詰め込んだものと言われる事が多いです。

iPhone SE2のコスパ

実際そのフレーズでiPhone SE2の8割は言い表せていると思います。

では皆様、言い表せていない残り2割の部分は何でしょうか?

ということで残り2割が分かるように、今回はiPhone SE2を価格と性能の両面からいかにコスパが最強なのかを解説して行きたいと思います!!

価格に関して

iPhone SE2のコスパ

発売当時その価格の安さに対する性能の良さから人気が爆発し、入荷待ち状態が続く程に売れに売れたのも記憶に新しいですが、現在の価格はどうなっているのかを見ていきましょう。

市場価格

Appleストアでの定価は【64GB 44,800円(税抜)~】。
その後2021年9月のiPhone13シリーズ発表後に税込表記に改定され【64GB 49,800円(税込)~】という表記になります。
これ実は・・・・、44,800円に10%の消費税を乗っけても49,280円なので、どさくさに紛れて700円値上がっているんです(笑)

まぁ700円値上がりとか細かい部分を置いておいても、性能的に定価でも十分過ぎる位に安いんですけどね。

実はこれがキャリア販売となると実質ただ同然で購入できたりします。

どういうことかというと、量販店のキャリアショップだと他社からMNPで乗り換えを対象に64GBが一括10円、128GBが一括4,200円といったようなキャンペーンが頻繁に行われているのです。(詳細はご自身でお調べください)

しかし、それはあくまで【契約】といういう縛りがあっての販売価格なので、誰しもが気軽に10円で買えるわけではありません。

そこで重要になってくるのが白ロム市場です。

白ロム相場

白ロム相場とは契約なしで購入できる中古ショップ等での相場のことですね。

量販店のキャンペーンは業界的にばら撒きと言われるんですが、このばら撒きが行われると白ロム市場に大量にものが流れて来ます。

大量に流れてくるとどうなるかというと、

白ロムの市場での相場がガツンと下がります。

結果、2021年6月頃にiPhone SE2 64GBの未使用品価格が4万円を切ります。

そして2022年1月末では、iPhone SE2 64GBの白ロム相場は未使用品30,000~35,000円(※)と、Apple公式価格より遥かに安い価格に。

しかも中古品であれば30,000円を切る訳です。

定価でも十分過ぎるコスパなのに、白ロムだと更にお安く買える…そんなものが売れないワケがないですよね?

事実2021年の白ロム業界はiPhone SE2を中心に回っていました。

詳しい資料がある訳ではありませんが、おそらく圧倒的1位だったと思います。

という事で、続いてはスペックについて詳しく見ていきましょう。
最後まで読んで頂ければ上述した【残り2割】が分かると思いますよ!!

※白ロム相場は市場の流通数により上下します。

基本スペックについて

iPhone SE2のコスパ

iPhoe SE2はiPhone8の身体にiPhone11の脳ミソを詰め込んだものという事で、その3機種を並べて比較していきましょう。

外観比較

iPhone SE2のコスパ

画像は左からiPhone8・iPhone SE2・iPhone11となります。
前面に関してはiOSのバージョンが同じだとiPhone8とiPhone SE2の見分けはつきませんが、背面は同色でも色味が違ったりロゴの位置が違ったりと若干の差異があります。

この画像から、iPhone SE2の筐体はiPhone8の使いまわしという事がよく分かります。

性能比較

モデル iPhone8 iPhone SE2 iPhone11
OS iOS11~ iOS13.5.1~ iOS13~
SoC A11 Bionic A13 Bionic A13 Bionic
ディスプレイ 4.7インチ
Retina HD
1,334 x 750
1,400:1
3Dタッチ
625ニト(標準)
4.7インチ
Retina HD
1,334 x 750
1,400:1
感触タッチ
625ニト(標準)
6.1インチ
Liquid Retina HD
1,792 x 828
1,400:1
感触タッチ
625ニト(標準)
メモリ 2GB 3GB(LPDDR4X) 4GB(LPDDR4X)
ストレージ 64GB/128GB 64GB/128GB 64GB/128GB
Wi-Fi Wi‑Fi 5 Wi‑Fi 6 Wi‑Fi 6
Bluetooth 5.0 5.0 5.0
サイズ 138.4 mm
67.3 mm
7.3 mm
148g
138.4 mm
67.3 mm
7.3 mm
148g
150.9 mm
75.7 mm
8.3 mm
194g
バッテリー 1,821mAh 1,821mAh 3,110mAh
セキュア Touch ID Touch ID Face ID
防塵防水 IP67等級 IP67等級 IP68等級
発売日 2017年9月22日 2020年4月24日 2019年9月20日

赤文字部分がiPhone SE2とiPhone11の共通部分になりますが、こうして実際並べてみると基本iPhone8とiPhone SE2は殆ど同じ性能なので、『iPhone8の身体にiPhone11の脳ミソ(SoC)を詰め込んだもの』だということがよく分かると思います。

ではその脳ミソがいかにパワーアップしているかを詳しく解説していきましょう。

SoCの性能が凄い!

何度も繰り返しますがiPhone SE2にはiPhone11シリーズと同じA13 Bionicが搭載されています。

iPhone SE2発売当時の最新モデルはA14 Bionic搭載のiPhone12シリーズだったので、僅か1世代前のSoCを廉価版モデルに搭載というのはかなりの大盤振る舞い。

そして2022年1月現在はA15 Bionic搭載のiPhone13シリーズが現行の最新モデルとなりますが、iPhoneはAndroidよりOSサポートが長く5,6世代前のモデルが現役で普通に活躍しているという事を考慮すれば、2世代前なんてたったの2世代前と言っても過言ではないでしょう。

しかもAppleはiPhone13シリーズの発表会において「弊社以外のSoCの性能は2年遅れ」的な発言をしています。

つまり、その発言を当て嵌めて考えるとその他メーカーの現行ハイエンドSoC=A13 Bionicってなりますよね?

流石にちょっと言い過ぎ感はあると思うので多少差し引いたとしても、SoCだけでいえば現行のハイエンドAndroidスマホに近い性能があるという事です。

ということで、ここまでが8割の部分になります。

そしてここからがお待ちかねの残り2割の部分になります。

SoC以外のスペック

という事で意外と知られていないSoC以外のiPhone8とiPhone SE2の違いをまとめてみました。

若干違う部分(ほぼ同じ)

ディスプレイ

ディスプレイは同じ物が使われていますが、iPhoneXSシリーズ以降3Dタッチが廃止され感触タッチに切り替わった為、3Dタッチモジュールが削除されTaptic Engine(※)の機能が封印されています。※押し込み操作で振動する機能

バッテリー

バッテリーも同じ物が搭載されていますが、iPhone8よりiPhone SE2の方が持ちが良くなっているみたいです。

けっこう違う部分

メモリ

iPhone8が2GBでiPhone SE2が3GB。規格もLPDDR4からLPDDR4Xにバージョンアップしています。

Wi-Fiの規格

Wi-Fi5(IEEE 802.11ac)からWi-Fi6(IEEE 802.11ax)にバージョンアップ。

メモリのバージョンアップでアプリの起動速度が高速化、Wi-Fi規格のバージョンアップで通信速度と安定性(※)が向上と地味ですが地味以上のパワーアップを果たしています。

カメラスペック

iPhone SE2のコスパ

iPhone8とiPhone SE2のカメラの違い。これ知っているって方ほんとうに少ないので必見です!!

スペック比較表

モデル iPhone8 iPhone SE2 iPhone11
リアカメラ シングル12MPカメラ
広角:ƒ/1.8 絞り値



光学式手ぶれ補正
最大5倍のデジタルズーム

True Toneフラッシュとスローシンクロ


写真の自動HDR
4Kビデオ撮影(60fps対応)
1080p HDビデオ撮影
ビデオの光学式手ぶれ補正
最大3倍のデジタルズーム



1080pスローモーションビデオ(240fps対応)
手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオ
シングル12MPカメラ
広角:ƒ/1.8 絞り値



光学式手ぶれ補正
最大5倍のデジタルズーム

True Toneフラッシュとスローシンクロ
ポートレートモード
ポートレートライティング
次世代のスマートHDR
4Kビデオ撮影(60fps対応)
1080p HDビデオ撮影
ビデオの光学式手ぶれ補正
最大3倍のデジタルズーム


QuickTakeビデオ
1080pスローモーションビデオ(240fps対応)
手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオ
ステレオ録音
デュアル12MPカメラ
広角:ƒ/1.8 絞り値
超広角:ƒ/2.4 絞り値
ナイトモード
Deep Fusion
光学式手ぶれ補正
最大5倍のデジタルズーム
2倍の光学ズームアウト
True Toneフラッシュとスローシンクロ
ポートレートモード
ポートレートライティング
次世代のスマートHDR
4Kビデオ撮影(60fps対応)
1080p HDビデオ撮影
ビデオの光学式手ぶれ補正
最大3倍のデジタルズーム
2倍の光学ズームアウト
オーディオズーム
QuickTakeビデオ
1080pスローモーションビデオ(240fps対応)
手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオ
ステレオ録音
フロントカメラ FaceTime HDカメラ
7MPの写真
ƒ/2.2絞り値
写真の自動HDR



1080p HDビデオ撮影

FaceTime HDカメラ
7MPの写真
ƒ/2.2絞り値
次世代のスマートHDR(写真)
ポートレートモード
ポートレートライティング

1080p HDビデオ撮影
映画レベルのビデオ手ぶれ補正
TrueDepthカメラ
12MPの写真
ƒ/2.2絞り値
次世代のスマートHDR(写真)
ポートレートモード
ポートレートライティング
4Kビデオ撮影
1080p HDビデオ撮影(60fps対応)
映画レベルのビデオ手ぶれ補正(4K対応)
1080pスローモーションビデオ

まずiPhone8とiPhone SE2に搭載されているカメラモジュールは同じものです。

で・す・が!!

実はSoCが大幅にパワーアップし処理能力が向上した事により、iPhone8にはない機能が実装されています。

表の赤文字部分がiPhone8にはなくiPhone11と同等に近いiPhone SE2のカメラ機能です。

以下どのような機能なのかをご紹介。

リアカメラ

ポートレートモード

人物に対してボケ効果と深度コントロールが使えます。

ポートレートライティング

カメラAppからポートレート写真に6つのエフェクトが掛けられます。

次世代のスマートHDR

iPhone SE2のコスパ

iPhone11の目玉機能で、複数の写真がさまざまな露出で高速で連続撮影され、明るい部分と影の細部が奇麗に表現され1枚の写真に合成されます。

QuickTakeビデオ

iPhone SE2のコスパ

動画の撮影中に静止画を撮る事ができます。

ステレオ録音

iPhone SE2のコスパ

動画撮影時に音声をステレオで録音する事が可能です。

画像左側がiPhone SE2で右側がiPhone8。iPhone8には搭載されていない各種機能が確認出来る。

フロントカメラ

ポートレートモード

上記リアカメラと同じ。

ポートレートライティング

上記リアカメラと同じ。

映画レベルのビデオ手ぶれ補正

フロントカメラにも手ぶれ補正機能(※)が備わりました。
※iPhone SE2は1080pと720p、iPhone11は4Kまで対応。

という感じで結構カメラもパワーアップしているんです!!

何故iPhone8と同じカメラモジュールなのにこれほどパワーアップをしているかというと、A13 Bionicの恩恵でソフトウェアの処理能力が格段に上がっているからなんですね~。

もちろんより上の性能のカメラモジュールが搭載されているiPhone11と比べれば、同じ機能でも若干の見劣りはあると思いますが、そこはもう価格の差があるということで(笑)

iPhone SE2のコスパまとめ

iPhone SE2のコスパ

iPhone SE2は搭載SoCのA13 Bionicばかりに目が行きがちですが、こんな感じで細かなバージョンアップが施されてるんですね。

カメラなんかはiPhone8と同じモジュールながらA13 Bionicの恩恵でiPhone11に近しい機能を使えるわけですから。

ということでiPhone SE2のコストとパフォーマンスがいかに優れているかを、より詳しくご理解いただけたと思います。

そして最後に2021年に爆発的ヒットとなったコスパ以外の要因を上げておきましょう。

それは現行バリバリの性能で指紋認証が使える唯一のiPhoneだからです。

コロナ禍においてマスクを外さなければ解除できないFace IDは、一手間掛かるので煩わしいですし公共の場であればマナー的にもよろしくありませんからね。

追記:iOS15.4でマスクでFace ID解除に対応し、iPhone12シリーズ、iPhone13シリーズにのみ実装されるもよう。※2022年2月現在は開発者向けベータ版のみリリースで、正式リリースは2022年3月15日が濃厚とのこと。

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