【長期化傾向】AndroidスマホのOSアップデート事情

AndroidスマホはiPhoneよりOSアップデート期間が短い…そんなイメージをお持ちの方が多いと思います。

実際そのイメージは否定できないんですが、最近ではGoogleやSamsungが7年間アップデート保証を開始したりと、Androidスマホにも長期アップデートの流れが来ています。

ということで、GoogleやSamsungだけじゃなく日本でAndroidスマホを展開しているメーカーの現状と、今後の展望なんかをまとめてみました。

アップデートに関する基礎知識

まずAndoroidはオープンソースのOSなので、iPhoneにしか搭載されていないiOSと違い、世界中の色々なメーカーの様々な端末に搭載されています。

そういう側面からアップデートに関しては「メーカー次第」になり、長期アップデートが保証されるスマホもあれば、全くアップデートが来ない…なんて可哀そうなスマホがもあるのが現状です。

▼アップデートの種類

ソフトウェアのアップデートにはOS自体のバージョンを上げるメジャーアップデートと、セキュリティの更新を行うマイナーアップデートがあります。

■iOS(iPad OS)のアップデート

  • メジャーアップデート⇒iOS 〇〇
  • マイナーアップデート⇒iOS 〇〇.〇.〇

メジャーアップデートは年に一回最新のiPhoneが発売されるタイミングでリリースされ、〇〇の数字が上がります。

マイナーアップデートはOSに不具合やセキュリティの脆弱性が発見されたタイミングで都度行われ、コンマ以下の〇の数字が上がります。

■Androidのアップデート

  • メジャーアップデート⇒Android 〇〇
  • マイナーアップデート⇒システムから更新日を確認

メジャーアップデートは年に一回最新のPixelが発売されるタイミングでリリースされますが、リリースタイミングでアップデートが可能なのはPixelシリーズのみで、他社製端末の場合はリリースから暫く経ってから対応という感じになります。また他社製端末は最新バージョンがリリースされた後に発売された機種であっても、旧バージョンがOS搭載で発売されることがあります。

マイナーアップデートに関してはGoogleが毎月セキュリティは毎月情報を発表し、それを受けてメーカーが提供する形で、更新対応期間中の機種であってもメーカやモデルによって更新の有無やタイミングが異なります。

※Androidの場合だとメジャーアップデート・マイナーアップデートではなく、そのまんまOSアップデート・セキュリティ更新と使う事が多いですが、一応そういう言い方もあるということで。

▼Android Enterprise Recommended

Android Enterprise Recommended(以下AER)はGoogleが法人に向けた「このスマホは安心してビジネスに使えますよ」という認証なのですが、この認証を受けている機種はGoogleが公表するので、個人であっても役に立つ情報となります。

ただし、GoogleのAER対象機種に記載があるスマホであっても、その機種の日本版が記載通りにアップデートされるかはなんとも言えないんですよね… メーカーが自社サイトにAER対象機種を載せている場合もありますが、そのサイトが国内向けではなくグローバルサイトの場合だと、やはり記載通りにアップデートしてくれる保証はできないので、あくまで参考程度ということで。

ということで少し前振りが長くなってしまいましたが、日本でスマホを発売している主要メーカーのアップデートの状況を解説して行こうと思います!!

Googleのスマートフォン

Pixel 5シリーズまではOSアップデート3回でセキュリティ更新が3年──

Pixel 6シリーズ以降はOSアップデート3回でセキュリティ更新が5年──

という流れでしたが、Pixel 8 / Proはアップデート・セキュリティ更新共に7年間保証となりました。

表にはありませんが2024年5月14日に発売されたPixel 8aも7年間保証が適応されているので、今後発売されるモデルは最低でも7年間のアップデート保証があると思われます。

Samsungのスマートフォン

※発売日はキャリア版の中で1番早く発売したものを記載しています
※セキュリティ更新期間は日本版の発売日ではなくグローバルでの発売日に準拠されます

2020年一部機種に対し最大3回のOSアップデートと最大4年のセキュリティ更新を提供すると発表──

2022年一部機種に対し最大4回のOSアップデートと最大5年のセキュリティ更新を提供すると発表──

そして2024年に発表(発売)されたGalaxy S24シリーズはOSアップデート・セキュリティ更新共に7年間保証すると発表しました。

この7年間保証は今後もハイエンドモデルに適応されて行くと思います。

またミドルクラスに関しては、2024年5月30日に発売されたGalaxy A55 5Gのアップデート期間が前モデルのGalaxy A54 5Gと同じだったので、暫く は「4世代のOSアップデートと5年間のセキュリティ更新」 のままだと思います。

そしてエントリークラスなんですが、従来は「2回のOSアップデートと3年間のセキュリティ更新」だったのですが、グローバルで発表されたGalaxy A15は「4回のOSアップデートと5年間のセキュリティ更新」が提供されるようなので、もしかすると日本でも同等のものが提供されるかもしれません。

SHARPのスマートフォン

※発売日はキャリア版・SIMフリー版の中で1番早いものを記載しています
※キャリア版・SIMフリー版の発売日の違いによりセキュリティの更新期間が異なる場合があります。

2017年に「最大2回のOSアップデートと最大3年のセキュリティ更新」を提供すると発表──

2023年発売のAQUOS R8 / R8 Proには「最大3回のOSアップデートと最大5年のセキュリティ更新」を提供すると発表──

更にその後に発売されたミドルクラスのAQUOS sense8においても同様のサポートを行うと発表しているので、今後発売されるミドル・エントリークラスの機種には3回のOSアップデートと5年間のセキュリティ更新が提供される可能性があります。

いち早くアップデート保証を取り入れたブランドでもあるので、今後は更なる保証期間の延長を期待できるかもしれませんが、 AQUOSを冠さないBasioやシンプルスマホに関しては、今後もOSアップデートは提供されずセキュリティ更新は不明のまま…という可能性があります。

SONYのスマートフォン

※セキュリティ更新日の太字は公式が発表しているもの、それ以外は最終更新日を記載しています

セキュリティ更新に関しては、一部のミドル・エントリーモデルをAER対象機種として公表していますが、メジャーアップデートに関しては対応期間を公表していません。

今までのアップデート状況から見ると、ハイエンドモデルはOSアップデート2回でセキュリティ更新2年が基本路線かなと。

ブランド力があり、他社と比べてちょっと割高感のある「ソニー価格」を付けるのであれば、この辺もっと頑張って欲しいと願うばかりです。

Xperiaは「同一機種なのにキャリアによってアップデート回数が違った」なんて黒歴史があるので、今の長期アップデートの流れにちゃんと乗ってくださいネ!

OPPOのスマートフォン

※セキュリティ更新の太字はAERに記載があるもの、細字は2024年3月時点で最新の更新となります。但し、AERに記載があっても国内モデルの適応されるかは不明です

グローバルでは機種の発売時にアップデート対応を公表していますが、国内版には適応されないため、どの機種が最新OSバージョンリリースに対応しているかを知るには国内向けの「アップデート予定機種」の発表を待たないといけません。

過去の傾向から見ると、OSアップデートはミドルクラスのReno Aシリーズが2回でエントリークラスのAシリーズが1回というのが通例のようにも見えますが──

Reno5 AがAndroid 13に対応すると公式が発表していうるにも関わらず未だに音沙汰なしだったり、Reno7 AはSIMフリー版にはAndroid 13のアップデートが配信されたのにキャリア版は放置といった具合で、全く安定感がありません。

セキュリティ更新に関しても保証期間の発表はないので、こちらも過去の傾向からの推測になりますが「ミドルが3年でエントリーが2年」という感じになります。まぁ、これも安定感がないので正直なんとも言えないですね…

ちなみにですがオッポグローバルは「2022年に2023年以降に発売されるフラグシップモデルには最長4年のOSアップデートと最長5年間のをセキュリティ更新を提供する」と発表していますが、残念ながら日本ではFind X3 Proを最後にフラグシップ機が発売される気配がありません…

Xiaomiのスマートフォン

※最新OS欄の太字とセキュリティ更新欄が日付以外のものはアップデート保証が発表されているものとなります

グローバルではアップデートに関する詳細な情報を発信していますが、国内ではフラグシップとなる〇〇Tシリーズに関してのみ発表されているのが現状です。

Xiaomi 11T / ProとXiaomi 12Tに関しては3回のOSアップデートと4年間のセキュリティ更新を、最新モデルとなるXiaomi 13T / 13T Proでは4回のOSアップデートと5年間のセキュリティ更新の提供を発表しています。

ミドル / エントリークラスの機種に関してはOSアップデート1~3回、セキュリティ更新は1・2年~という感じになっていますが、グローバルで発表されたミドルクラスのRedmi Note 13には3回のOSアップデートと4年間のセキュリティ更新を提供するそうなので、今後はこの辺が基準になってくる可能性があります。

KYOCERAのスマートフォン


京セラは2023年にコンシューマー向けスマホから撤退(※)すると発表しましたが、実は法人向けからは撤退しておらず、今も新機種を発売しています。

元々どちらかといえば法人寄りに開発されていたという側面が強いため、公式ホームページにはOSバージョンアップ予定とセキュリティ更新に関する情報がけっこう詳細に記載されています。

※コンシューマー向けスマホ撤退後も法人向けに開発されたTORQUEの新機種がauから発売されています。

今後はもっと良くなる

実はEUでスマホに長期アップデートを義務付けるという動きがあり、今後はAndroid OS搭載端末全てが長期アップデート対応になる可能性が出て来ました。

現にEUのそういった動きからiPhone15シリーズがLihghning端子を廃止しUSB Type-Cを搭載したという例もあり、近い将来アップデート面でもiPhoneに負けないAndroidの時代が来るかもしれませんね。

ただ『 日本のキャリア販売モデルにはキャリア独自のカスタマイズ(プリインストールアプリ等)がされているため、 同一モデルのグローバル版よりアップデート提供が遅れたり、酷い場合だとアップデート自体が行われないことすらあった』ので、日本のキャリア版スマホのアップデートがグローバル準拠 にならない可能性がある──という点はご留意ください。

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