スマホ用語解説「APN設定」
APN設定とは
APN(アクセス・ポイント・ネーム)の略で、スマホ・タブレットやノートPCにSIMを挿してインターネットに接続する際に必要な設定のこと。
一部の例外(※)を除きキャリア販売の端末には自社APNが予め設定されているので、同キャリアのSIMを挿して使用する場合は挿すだけで通信が可能となります。
最近ではキャリア以外で販売されているSIMフリースマホ(格安スマホ)にも予め色々なSIMメーカーのAPNが設定されていますが、SIMを挿しただけで使用出来るようになるわけではないので、設定されているAPNの中から使用するSIMメーカーを選択する必要があります。
慣れている方には当たり前のことかもしれませんが、初めてSIMフリースマホを買った方はこの設定の事を知らず、『SIMを挿しても通信しない』という症状にみえてしまいます。
しかし、こういった問い合わせのうち、90％以上はAPN未設定(又は設定間違い)が原因だったというデータがあるぐらい多くの方が勘違いしてしまいます。
スマホが無いと困ってしまうような時代なので、これを機に覚えて頂ければと思います。
※キャリアが発行するSIMにも種類があります。ドコモはXi SIMならXi対応端末に挿すだけで使用出来るので分かりやすいですが、auとSoftBankの4G対応SIMは自社販売の全4G対応端末に対応しているわけではない。
Androidでの設定
【設定】⇒【ネットワークとインターネット】⇒【モバイルネットワーク】⇒【詳細設定】⇒【アクセスポイント名】と進み、
予めAPN設定が入っている場合は契約しているSIMメーカーを選択、
APN設定が入っていない場合はSIMメーカーのホームページでAPNを調べ手動で設定を打ち込みます。
iPhoneでの設定
Android端末と違いAPN設定画面で直接設定する事が出来ません。
構成プロファイルと呼ばれるAPN設定ファイルを、SIMメーカーのホームページからダウンロードし、インストールします。
設定する際にインターネットに接続するのでWi-Fi環境が必要となります。
APN設定項目
【名前】任意で入力します。
【APN】各事業者の指定する文字を入れます。
【プロキシ】入力が必要になる事はほぼありません。
【ポート】入力が必要になる事はほぼありません。
【ユーザー名】事業者の指定する文字を入れます。
【パスワード】事業者の指定する文字を入れます。
【サーバー】GSMのWAPサーバーの指定する項目。スマホに必要ありません
【MMSC】事業者提供のメールサービスを使う場合等、設定が必要になる時があります
【MMSプロキシ】MMSCと同じ
【MMSポート】MMSCと同じ
【MCC】国別のコード。APNを入力すると自動で入ります。
【MNC】事業者コード。APNを入力すると自動で入ります。
【認証タイプ】PAPかCHAPか、プロトコルを選択します。
【APNタイプ】MMSで使用する場合以外設定する事はほぼありません。
【APNプロトコル】IPv4に設定されています。指定がない限り触らない。
【APNローミングプロトコル】指定がない限り触らない。
【ベアラー】現時点では基本的に触ることはありません。
【MVNOの種類】現時点では基本的に触るははありません。
基本的には赤文字の項目以外を手動で設定する事はありません。
たまに触らなくて良い部分を触ってしまい通信が出来なくなってしまう方がおられます。 そういう場合も含めて『設定したのに通信しない場合の対処法』を付け加えておきます。
APN設定したけど通信しない場合
①機内モードをON/OFF、又は再起動
APN設定に間違いが無くてもアンテナが立たない場合があります。先ずは機内モードのON/OFFまたは再起動を試してみて下さい。
②設定の見直し、又は打ち直し
発行した時期によってAPNが違うSIMメーカーがあります。SIMを買った時期を調べ、設定が予め入っている場合は選択のやり直し、設定が入っていない場合は最初に設定したAPNを削除して打ち直してみましょう。
③それでも通信しない場合に考えられる可能性
・SIMの対応周波数と端末の対応周波数が合っていない
・SIMカードのズレや向きの違い
・SIMカードのICチップ部分の汚れ
上記の方法で対処し、可能性を検証しても通信しない場合はSIMか端末の不良である可能性が高いです。
最後に
最初にも書きましたが、SIMフリースマホを初めて買った場合、多くの方がAPN設定をしてないが為に『SIMを挿しても通信しない』という状況に陥ってしまいます。
格安スマホを買ってSIMを挿したけど通信しない場合はこの記事を思い出して、焦らず設定し直してみて下さい。
この記事へのコメントはありません。