ファブレット

スマホ用語解説『ファブレット』

Phone+Tablet=Phablet

スマホのサイズが4インチ台が主流だった2012年に、5.3インチという当時としてはかなり巨大なサイズのGalaxy Noteが発売されました。
それ以降Galaxy Noteのようなスマホ以上タブレット未満のサイズのスマホが各社から登場し、それらの端末を呼ぶ際の造語としてファブレットが定着しました。


ファブレットの定義

明確な定義はないが、International Data Corporationは画面サイズが5.5インチ以上7インチ未満のスマートフォンと定義している
──ウィキペディア『ファブレット』より

Wikipediaにはこのように書かれていますが、当時5.0インチ以上7インチ未満をファブレットと呼ぶ事が多かったと記憶しています。
『5.5インチ以上』だとGalaxy Noteがファブレットに当て嵌まらなくなりますからね。
ではなぜ定義が『5.5インチ以上』に変わったのか?
それは2013年頃からスマホのサイズが4インチ台から5インチ台に移り変わっていった過程で定義を変えざるを得なかったから──ファブレットの定義の最小値を底上げしないと殆どの機種がファブレットになってしいますからね。
という具合で大きなスマホが珍しかった時代に作られた造語でなので、明確に定義されているものではないということです。


主なファブレット端末

Apple:iPhoneのPlus・Maxモデル

2014年に発売されたiPhone6 Plus(XS以降はMax)を皮切りに、iPhoneはノーマルサイズと大きいサイズのモデルを発売するようになる。

Samsung:Galaxy Noteシリーズ・Galaxy Zシリーズ等

元祖ファブレット端末Galaxy Noteシリーズを皮切りに、日本未発売ではあるが海外ではミドル・エントリークラスにもファブレットを意識した端末が多く発売されている。
現在ではフラグシップのSシリーズにもウルトラを冠するモデルを用意したり、二つ折りのZシリーズを投入したりとファブレット端末に積極的。

Huawei:Mateシリーズ

2013年に6.1のHuawei Ascend Mateを発売し、その後もMateシリーズとして毎年新モデルを発表している。2021年現在はMate40 Proが最新モデル。2018年にはMate20 Proと同時にMate20Xを発表。
Mate20 Proが約6.4inchなのに対しMate20 Xはなんと約7.2inchとタブレットに突入したサイズとなっている。

Sony:Xperia Z Ultra等

Xperia Z Ultraは2013年夏にグローバルで発売、その後auでも発売された6.4inchファブレット。
唯一無二のサイズ感で多くの人々を魅了した名機ではあるが、商業的には失敗したらしく後継機が発売されることはなかった。
このサイズ感に魅了された人々は、発売されることのない後継機、またはそのサイズ感に最も近い端末を求め彷徨うズルトラ難民と呼ばれるようになる。

ASUS:Zenfone3 Ultra

2016年に発売された6.8inchファブレットでZenfoneシリーズ最初で最後のウルトラを冠するモデル。
Xperia Z Ultra発売から3年、そろそろスペック的にきつくなってきたXperia Z Ultraユーザー(ズルトラ難民)が丁度良いタイミングで代替機になりえるファブレットが登場したとあって盛り上がりを見せる──
も、前述の通りこのモデルにも後継機は誕生しなかったので第二のズルトラ難民(Zenfone3Ultra)を生むこととなる。

LG:G Flexシリーズ・G8X ThinQ(着脱式2画面スマホ)等

G Flexは2013年に発売された6inchファブレットで、本体が湾曲している変わり種。auでも販売されたが、あまり売れなかったらしく2015年に発売されたG Flex2の取扱いはなかった。
G Flexシリーズは2で終了したが、2019年に専用ケースにサブディスプレイが付いたデュアルスクリーンのG8X ThinQが発売され2020年には後継機も登場している。


今ではもう死語?

2021年現在、上の項目であげた端末よりサイズの大きなスマホが数多く発売されています。
それらのスマホを記載しなかったのは、今ではもう6インチ台がメインストリームのサイズになってしまったので、『特別大きいサイズ』にカテゴライズする必要がなくなったからです。

なので上の項目であげたのものは、まだ今ほどスマホが巨大化していない時代に、特別な大型スマホとして作られたものとなります。

ということでメインストリームのサイズが6インチ台になった今では、もはやファブレットは死語と言っても過言ではないでしょう。

ただGalaxy ZシリーズやLG G8X Thin Q等の画面サイズが可変可能な端末は、サイズ的にファブレットというわけではなく、スマホとタブレットどちらの用途でも使える『機能的にファブレット』という感じなので、今後『ファブレット』というワードはそのような端末に使われて行くのかもしれません。

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