LightningとUSB

USBの規格を整理しておこう3
~LightningとUSB~

iPhoneユーザーならずとも知らない人はいないのではというくらい有名なApple独自規格、Lightning。

USBの規格を整理といいながら「なぜLightning?」と思われるかもしれませんが、Lightningケーブルの片側はUSB(Type-A/Type-C)ですよね?

切っても切れない関係です。(ケーブルだけに)ということで、Lightning(コネクタ/ケーブル)に関するアレコレを今回も読むのがしんどくならないレベルで解説していこうと思います。

Lightningの略歴

Apple独自のインターフェースで2012年発売のiPhone5以降最新のiPhone14シリーズに至るまでの全iPhoneで採用されている。

他にも今では廃版になったiPodシリーズのiPod touch(第5世代以降)・iPod nano(第7世代)がiPhone5と同じタイミングでLightningを搭載し、その後2015年にApple Pencil(第1世代)・Magic Mouse 2・Magic Keyboard・Magic Trackpad 2といたった周辺機器にも採用されています。

もちろんiPadシリーズにおいてもiPhone5発売直後の2012年10月に発売されたiPad(第4世代)・iPad mini(第1世代)からはLightning端子が搭載されました。

が、2018年発売のiPad Pro 11インチ・iPad Pro 12.1インチ(第3世代)、2020年発売のiPad Air( 第4世代)、2021年発売のiPad mini(第6世代)、2022年発売のiPad(第6世代)から其々USB Type-Cに切り替わり、iPadシリーズからLightningは完全に消滅してしまいました…

Lightningの基本性能

USBには進化の歴史があり10年前と今では比べ物にならないくらい性能が上がっていますが…

では、Lightningはどうでしょう?

それでは分かりやすくUSBと性能を比較してみましょう。

転送速度

規格(バージョン) 仕様発行年 転送速度
USB 1.0 1996年 最大12Mbps
USB 1.1 1998年 最大12Mbps
USB 2.0 2000年 最大480Mbps
USB 3.0
(USB 3.1 Gen 1)
(USB 3.2 Gen 1)
2008年 最大5Gbps
USB 3.1 Gen 2
(USB 3.2 Gen 2)
2013年 最大10Gbps
USB 3.2 Gen2x2 2017年 最大20Gbps
USB4
(Version 1.0)
2019年 最大40Gbps
USB4 Version 2.0 2022年 最大80Gbps
Lightning 2012年 最大480Mbps

2022年10月現在の最新Androidスマホは基本USB 3.0(USB 3.1 Gen 1/USB 3.2 Gen 1)に対応しており、稀にUSB 3.2 Gen 2に対応という感じなので転送速度は最大5Gbps~10Gbpsという感じです。

対してLightningはというと、一部の例外(※)を除き除き初搭載されたiPhone5から最新のiPhone14シリーズに至るまで…

最大480Mbps

たったの480Mbps

iPhone13 Pro/Maxや後継のiPhone14 Pro/Maxの売りの機能であるProRes動画撮影なんかは、ちょっと撮影しただけでギガを超えるのに、これではデータを外に逃がそうにもどれだけ時間を奪われる事やらですね。

※2015年発売のiPad Pro 12.9インチ(第1世代)と2017年発売のiPad Pro12.9インチ(第2世代)はLightningコネクタですが、Lightning-USB3カメラアダプタを使用した場合のみ最大5Gbpsで通信が可能です。

充電速度

Androidと比べ仕様を事細かに晒さない(RAM容量とかバッテリー容量とか…)ことで有名なiPhone様なので意外と知られていないのですが、実は急速充電(以下Appleの呼称通りに高速充電)に対応しています。

iPhone高速充電の条件

  • iPhone8以降のiPhone
  • USB-C – Lightningケーブル
  • 18W/20W/29W/30W/35W/61W/67W/87W/96W/140WのApple製USB-C電源アダプタ
  • USB-PDに対応する、互換性のある他社製のUSB-C電源アダプタ

以上の条件が揃った場合30分で最大50%まで充電ができます。

ちなみにですが、iPhone6以降のモデルは5V/1A、5V/2.1A、5V/2.4Aの充電規格に対応で、iPhone8以降は最大9V/2Aまで対応しています。

あとiPhone8~11までは高速充電するのに最低18W必要ですが、iPhone12~14・第3世代iPhone SEは最低出力20Wが必要となります。

まぁ、文字だけでは分かりにくいと思いますので、Apple製電源アダプターの実物写真を用いて、高速充電に対応しているか否かを見て行きましょう。

出力10W(5.1V/2.1A)コネクタUSB-A(高速充電不可)

✖出力10W(5.1V/2.1A)でコネクタはUSB-Aなので高速充電はできません。

出力20W(5V/3A or 9V/2.22A)コネクタUSB-C(高速充電可能)

〇出力20W(5V/3A or 9V/2.22A)でコネクタはUSB-Cなので高速充電ができます。

出力29W(14.5V/2A or 5.2V/2.4A)コネクタUSB-C(高速充電可能)

〇出力29W(14.5V/2A or 5.2V/2.4A)でコネクタはUSB-Cなので高速充電ができます。

こちらの電源アダプターには注意!

昔iPhoneに同梱されていたApple純正ACアダプターなんですが、5W(5V/1A)と鬼のように出力が弱いので、『昔買った時に付いていたから今も使っている』という方は直ちに買い替えましょう!!

実際に充電比較してみました

百聞は一見に如かずということで、上記4種類の電源アダプターと、完全放電した第3世代iPhone SE 64GBを4台用意して同時に充電してみました。

同じ条件に揃える為にバッテリーコンディション100%の第3世代iPhone SEを4台揃えました。

充電経過表

出力 コネクタ 10分 20分 30分 40分 50分 60分 70分 80分
5W
(5V/1A)
USB-A 8% 17% 26% 34% 42% 51% 59% 67%
10W
(5.1V/2.1A )
USB-A 17% 34% 51% 67% 78% 85% 91% 96%
20W
(5V/3A or
9V/2.22A)
USB-C 21% 42% 60% 73% 82% 88% 95% 100%
29W
(14.5V/2A or
5.2V/2.4A)
USB-C 20% 40% 58% 72% 81% 87% 94% 99%

という事で29Wではなく20W電源アダプターが最速で100%に到達しました!!

なぜ20Wが29Wに勝ったのか?

これには理由がありまして、20W電源アダプターは9V/2.22Aで充電、29W電源アダプターは14.5V/2Aではなく5.2V/2.4Aで充電という形になるからなんですね。

あと表を見ていただいて分かりますかね?80%を境に充電速度がダウンしているのが。

これはリチウムイオンバッテリーをいたわる為に80%に到達した時点で高速充電が終了するからなんです。

あと、ここからはちょっと余談になるんですが、この検証、機種のチョイスを間違っていたかもしれませんねぇ…

  • 5W電源アダプターは流石に遅い
  • iPhone8以降は30分で最大50%まで高速充電

この2点は理解して頂けたと思いますが、10W電源アダプターでも30分で50%に到達しちゃってて、しかも20W電源アダプターが100%到達時に96%と高速充電とそんなに遜色ないんですよね。

で、何がチョイスミスかというと第3世代iPhone SEはバッテリー容量2,018mA(※)が超少ないんですよね。

だから差が付きにくいのかなと。(※アップルが正式に公表しているものではありません)

何故iPhoneは脱Lightningしないのか?

専門的な使用が想定されるiPad Proを皮切りにiPadシリーズは脱Lightningを行いましたが、では何故上述したように転送速度の問題があるのにも関わらず、iPhoneは脱Lightningをしないのか?

憶測にはなりますが、MFi認証(Made For iPhone/iPad/iPod)というのがありまして…

サードパーティー製のiPhone(iPad/iPod)用アクセサリはAppleからこの認証を受けていないと、「このアクセサリは使用できません」という感じで弾かれてしまいます。

例え使えていたとしてもアップデートが入った瞬間に使えなくなったりします。AppleのiPhoneはAndroidメーカーと違い、端末をハイ・ミドル・エントリーと分けず、実質フラグシップ1本でスマホ世界シェア最上位を争うメーカーです。

そりゃサードパーティーはiPhoneのアクセサリを作りたいですよね?

するとAppleはライセンス料でウハウハってわけです…あくまで憶測なんですけどね。

Lightningの今後

2022年10月4日の欧州議会本会議において、モバイル機器におけるUSB-C対応の義務化が決定されました。

これにより猶予期間を経たのちに2024年末までに欧州で発売される全てのモバイル機器はUSB-Cに統一されることとなりました。(ノートPCは2026年春以降義務化)

規格を統一する事により廃棄物の削減を目指すといった施策なのですが、この法律により困ってしまうスマホメーカーが世界に一社だけあるんですよね…

そうAppleです。iPadはLightningからUSB-Cに切り替わりましたが、転送速度の問題も何のその最新のiPhone14シリーズでもLightning端子を採用しているくらいですからね。

2023年秋に発売されるであろうiPhone15シリーズ(仮)の端子はどうなるのか?

スペックだけでなくそういう部分も踏まえて来年のiPhone発売を楽しみに待ちましょう。

Lightningのまとめ

  1. 転送速度はUSB2.0(最大480Mbps)なので鬼遅い。
  2. 高速充電する為にUSB-C to Lightningと18W以上の電源アダプターが必須。
  3. 終わりは近い

参考(Apple公式HP)

一部のモデルのiPhoneでは高速充電機能を使えます。iPhoneを約30分で最大50%まで再充電できます。

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