aptX Adaptive対応スマホ

~高音質・低遅延コーデックで音楽・ゲームを楽しもう~

aptX Adaptiveとは

Qualcomm社製のBluetoothコーデックの1つで、高音質(48kHz/24bit又は96kHz/24bit)・低遅延(50ms〜80ms)を実現した現行最上位のコーデック。
(Qualcomm社製なのでSnapdragonシリーズが搭載されていないスマホには搭載されていません)

aptX Adaptiveは音質においてはSoCにもよりますが高音質コーデックのLDACと同等で、低遅延性能においてはaptX LLに若干劣るものの、ビットレートが280kbps~420kbpsの間で自動可変するので、回線混雑時でもビットレート固定式のaptX LLより途切れにくいという特徴があります。

外出先でスマホで動画やゲームを楽しむ上でイヤホンは必要不可欠。
そして現在イヤホンジャック非搭載スマホもけっこう多いので、ワイヤレスイヤホンとスマホは切っても切れない仲になってます。
ということでaptX Adaptiveは現在スマホとワイヤレスイヤホンを選ぶ上でかなり重要なコーデックとなっています。

スマホ好きでも余り知られていない?

Bluetoothコーデックは送受信機器双方が対応していないと、そのコーデックで接続されることはありません。
例えば受信側のワイヤレスイヤホンがaptX Adaptive対応していも、送信側のスマホが対応していなければ接続されることはないということです。もちろん逆もしかりです。

Bluetoothコーデックはワイヤレスイヤホン全盛ということもありオーディオ機器が好きな方々には必須の知識になっていると思いますが、逆にスマホ側の方々にはあまり浸透していない感があります。
スマホの新機種の発表があっても大きく取り上げられるのはSoC・ディスプレイ・カメラ性能に回線速度と、Bluetoothコーデックが詳しく触れられることはあまりありませんし、スマホ好きな方々のSNSを見てもあまり話題にされることはありません。

まぁ、ディープなスマホ好きな方々はもちろんご存知なのだと思いますが、そこに主眼を置かれることがないのであまり話題にされないという感じなのだとは思います。
ということで、スマホ好きだけどBluetoothコーデックに疎い方、オーディオ好きでBluetoothコーデックに詳しいけどスマホに疎い方双方、aptX Adaptive対応スマホの見分け方を解説して行きたいと思います。

aptX Adaptive対応スマホ

2019年のハイエンドSoCであるSnapdragon855で標準搭載されるようになり、それ以降の800系統のSoCであれば基本的にaptX Adaptiveに対応している….
はずのですが、実際には該当機種の全てが対応しているわけではありません。

aptX Adaptive対応表

メーカー Snapdragon
855
Snapdragon
855+
Snapdragon
865
Snapdragon
865+
Snapdragon
870
Snapdragon
888
Snapdragon
888+
Sony Xperia 1 Xperia 1 II Xperia 1 III
Xperia 5 Xperia 5 II Xperia 5 III
Xpria Pro Xperia Pro-I(※)
Samsung Galaxy S10/Plus Galaxy S20/Plus/Ultra Galaxy S21/Ultra
Galaxy Note10 Galaxy Note20 Ultra Galaxy Z Fold3
Galaxy Z Flip3
SHARP AQUOS R3 AQUOS R5G AQUOS R6
AQUOS zero2
FUJITSU arrows 5G
LG G8X ThinQ V60 ThinQ
ASUS Zenfone6 Zenfone7/Pro Zenfone8/Flip ROG Phone5s/Pro
ROG Phone II ROG Phone 3 ROG Phone5/Ultimate
OPPO Find X2 Pro Find X3 Pro
Xiaomi Xiaomi 11T Pro
Black SHark Black Shark2 Black Shark 3 5G Black Shark 4 5G
nubia Red Magic 5G Red Magic 6/Pro Red Magic 6S Pro
Red Magic 5S
motorola moto g100
leica LEITZ PHONE 1
Microsoft Surface Duo 2

グレー塗りの機種は非対応機種となります。
※公式HPに記載がありませんが実機で確認しました。

イオシス販売サイトでaptX Adaptive対応の

表の機種はSoC単位でaptX Adaptive標準対応なので『開発者向けオプションで確認するとaptXAdaptiveの表記が出て来る場合がある』のですが、メーカー発表のスペックに表記が無いものは機能を塞がれているようで、実際には利用することは出来ません。
またAndroidの頂点とも言われるGalaxyシリーズが非対応なのが結構意外な感じですよね?もしかすると知らずにaptX Adaptive対応のつもりでワイヤレスイヤホンと組み合わせて使われている方がおられるかもしれませんね。

特にGalaxy S20/21シリーズ、やGalaxy Note20 Ultraはイヤホンジャック非搭載なので要注意です。しかし何故aptXAdaptveに非対応なのでしょう…自社SoCであるExynos版と性能差が生まれないようにという事なのでしょうかね??(注:aptX Adaptive非対応ですがLDACに対応していますので音質だけで言えば同等です)
対してXperiaシリーズは自社の高音質コーデックであるLDACがあるにもかかわらず、aptXAdaptiveにも対応という親切具合。
まぁ2021年最注目のワイヤレスイヤホンであるSONY WF-1000XM4はaptx Adaptive非対応でLDACのみなのですけどね。

ついでなのでaptX AdaptiveとLDACの違いを貼っておきますのでご参考にど~ぞ。

aptX Adaptive vs LDAC

aptX Adaptive LDAC
サンプリングレート/
深度
48kHz/24bit又は
96kHz/24bit
96kHz/24bit
ビットレート 240~640kbps
自動可変式
3300/660/990kbps
三段階選択式
レイテンシー 50〜80ms 非公表

※LDACのビットレート設定990kbpsは余程環境が整って無い限りはまともに通信できない。

Snapdragon855と865以降の違い

aptX Adaptiveの音質に関して『48kHz/24bit又は96kHz/24bit』『SoCにもよりますが高音質コーデックのLDACと同等』と記載してきましたが、実はaptX AdaptiveはSnapdragon855と865以降で性能が変わります。

  • Snapdragon855 ⇒48kHz/24bit ビットレート280~420kbps
  • Snapdragon865以降⇒96kHz/24bit ビットレート240~640kbps

より高音質、より低遅延で音楽・ゲームを楽しみたいのならスマホ選びの際にSnapdragon865以降を選ぶことをおすすめします。

【注意】

日本ではあまり馴染みがないですがSnapdragon855にはCPUクロックがアップされたSnapdragon855+とSnapdragon860が、Snapdoragon865も同様にCPCクロックアップ版のSnapdragon865+とSnapdragon870が存在しますが、其々CPUクロック以外はベースモデルと同じ構成なのでaptX Adaptiveの性能も変わりません。

エントリー/ミドルクラスのスマホは対応していないの?

2019年にリリースされたSnapdragon855世代以降のSoCはaptX Adaptiveをサポートしています。
ただし、ハイエンドの800番台同様に該当SoCを搭載している機種全てが対応しているわけではありません。

Snapdragonミドル・エントリーシリーズの対応状況

リリース年 Snapdragon
700番台
Snapdragon
600番台
Snapdragon
400番台
2021 780G 5G 480 5G
778G 5G
2020 768G 5G 690 5G 460
768 5G 678
765G 5G 662
765 5G
750G 5G
732G
720G
2019 730G 675
730 665
712

Qualcomm HPより

Qualcommのホームページで調べたところ2019年以降リリースのSoCにはaptX Adaptiveサポートの表記がありますが、正直ミドル・エントリークラスの機種でaptX Adaptiveの対応を謳っている機種を余り知りません…ぱっと思い付くのは2020年9月発売のSnapdragon765G 5G搭載のXiaomi Mi 10 Lite 5Gくらいでしょうか?

Xiaomi Japan より

そしてこちらは、2021年6月発売のOPPO Reno5 Aの仕様となります。Xiaomi Mi 10 Liteと同じSoC搭載を搭載していますがBluetoothコーデックにaptX Adaptiveの記載がありません。

オウガ・ジャパン より

そしてこちらは2021年発売に発売されたSnapdragon690G搭載のSHARP AQUOS sense5GSH-52Aになりますが、その他の欄にaptX Adaptiveの記載があります。

docomo より

続いて2020年11月発売のSnapdragon720G搭載AQUOS sense4 SH-41A。
こちらもその他の欄にaptX Adaptiveの記載があります。

XiaomiとOPPOの2機種を調べたところで『もしかするとミドル・エントリークラスのモデルのaptXAdaptiveの対応は5G対応非対応で線引きされるのかも?』とも思いましたが、AQUOSの2機種を見る限りそうではないみたいですね。ハイエンドモデル同様にメーカーによりけりという感じなのでしょう。

ちなみにですが、ミドル・エントリーSoCは48kHz/24bitなのか96kHz/24bitなのかは記載が見つからなかったので調べきれませんでした。ハイエンド同様にSnapdragon855世代(2019)とそれ以降で変わるのか?それとも値段相応の扱いなのか?この件に関しては情報が分かり次第追記ということで。

まとめ

aptX Adaptive対応のスマホの探し方は、
先ず、2019年以降にリリースされたSnapdragon搭載機種であることそして該当機種でも対応していない場合があるのでメーカーの仕様を確認するという感じで間違いないと思います。

Snapdragonの型番を覚えきれないという方は是非このページをブックマークして頂ければと思います。

※注意※

最後に要注意点を1点。
aptX Adaptiveに対応しているSoCを搭載したスマホの開発者オプションを開くと、メーカーの仕様表にaptX Adaptiveの記載がなくてもaptX Adaptiveの表記が現れます。
この場合はメーカー仕様の方が正しいのでaptX Adaptiveは利用できません。
もしどこかで開発者オプションで対応という情報を見たとしても、その情報だけを鵜呑みにしないようにし気を付けましょう。

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